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「期末・権利付き最終」
「逆指値注文を厳守する事」
■先週のニューヨーク市場は三指数まちまちで終了しています。ダウ平均とS&P500は、利益確定で小幅にマイナス。
ナスダック市場は小幅に続伸しています。
今週末は期末にもかかわらず、アメリカは「聖金曜日」で休日です。(昨年は4月7日でした)
期末の日が休日であり、ニューヨーク市場では、権利付き最終日が日本より一日早くなります。
それに伴う変動は限定的ですが、日本市場に影響が出ないとは言えません。
利益確定の売りが先週末のように出てくる可能性があるからです。
先週もコメントしたように、アメリカ経済は、微妙なところです。
「金利引き下げ」を市場は待ち望んでいますが、必ずしも経済関連数字は、経済の「悪い」数字が出ているわけではありません。
むしろ「良い」数字が圧倒的に多く、「インフレ再燃」を考慮すると「金利引き下げ」の時期は「後ろ倒し」されるとも想定されます。
以前コメントしたように、個別の労働環境には悪化の兆しが見えており、経済の表の状況と裏の状況に乖離が生まれているのではないでしょうか。
すぐにではありませんが、好調な企業群と不調に突入しつつある企業群の格差が拡大している可能性があります。
アメリカでは、決算開示が、日本より早く始まります。
早ければ来週以降から始まる決算開示が、ニューヨーク市場の下支えをしてくれることを期待しています。
■日本市場は、順調に最高値を更新しています。
週末のCME先物市場では、日経平均は-373円と下落しています。
ニューヨーク市場以上に日本市場では、株価上昇が大きく、
PERが上昇しています。
基本的には、個別企業の業績が大きく向上する事への期待感が株価を押し上げていると想定しています。
しかし、上昇速度が速く、業績との乖離が拡大していることが懸念されます。
エヌヴィデアの好調が、日本の「値がさ半導体株」の株価を上昇させ、その上昇が日経平均株価を上昇させています。
しかし、エヌヴィデアが、好調な決算と順調な受注状況で、予想PERが30倍台であることに比して、日本の「値がさ半導体」株は、PERが50倍台以上の水準まで買われています。
日本の「値がさ半導体」の業績が、来期以降急速に回復上昇する事を前提にした株価の動きですが、やはり、現実の数字を確認しなければ、株価の維持は難しくなります。
この数字を確認する時期は、4月中旬以降に始まる決算数字の確認が必要だと考えています。
今週は、権利確定と権利落ちが到来します。
波乱が起きてもおかしくはありません。
■3月に入り、年初からの株価上昇で投資資金の回収が進んだ個人投資家の投資動向に変化が出ています。
従来、日本の個人投資家は株価が下落する過程で「押し目買い」を入れ、戻る過程で「戻り売り」を行うのが通例でした。
外人ウリに対して個人投資家が買い向かい、外人買いに対して個人投資家が売り向かうという構図が長く続いていました。
しかし、3月に入り、第一週は、海外投資家が1900億円かいこすなかで個人投資家も3600億円買い越しています。
第二週は海外投資家が500億円の売り越しに対して、個人投資家が4900億円買い越しています。
第一週は、日経平均が下落しており、従来のパターンですが、第二週は、史上最高値を更新する過程での大幅買い越しです。
しかも、その買い越はほとんどが信用取引によるものです。
海外投資家が売り越しに転じる過程であり、しかも株価が上昇する過程での個人投資家の買い越は、ここ数年の流れの中で違和感があります。
信用取引での買いは、短期で反対売買を行うことが多く、中長期の買いが入らないことには、相場水準を維持することが難しくなります。
今週は、アメリカの市場も不安定になる可能性があり、また、期末で中長期の投資家は週末の権利落ち以降にしか買いが入りません。
いささか、過熱気味になっている個人投資家の買いは、相場にとって懸念要因となると考えています。
今週は、先週までの「史上最高値更新」の強気楽観が冷静になることを必要とされる週になると考えています。
■今週の気になる銘柄は以下です。チャートの形が出来つつある銘柄を上げています。
・日置電機(6866)株価:7040円 ロスカット:6780円
・タムラ製作所(6768)株価:585円ロスカット:569円
・カネカ(4118)株価:3887円 ロスカット:3825円
・レノバ(9519)株価:1281円 ロスカット:1200円
・クラレ(3405)株価:1613.5円ロスカット:1579円
・TOPPAN(7911)株価:3726円ロスカット:3600円
・日銀政策決定会合以降反転に転じている金融株です。
堅調な推移ですが、今週は権利落ちがあります。
権利落ちまで再投資は様子見をお勧めします。
・また、相場が荒れ模様を想定しています。
「逆指値注文」を厳守して、「下げに付き合わない」ことに留意してください。