代表中野を嗤え「お金と水」(2024.04.24)

「自然界では、長雨が続いた後の「地すべり」や崖の崩落などが間々起きます。
瞬間的な風雨の強さで起こることもありますが、多くは連続して続いた風雨
がじわじわと地盤を変化させて起こることが多いと思います。

株式市場でも似たようなことが起こります。

経済合理性との乖離が拡大し続けるとその歪は、必ず起こるものです。

突然の株式市場の崩落か、あるいは、長期間の停滞です。」

■水などの液体と「お金」は、似たような性質があります。
隙間があれば、その隙間に入り込んでくる、高いところから低い所へ移動して
行く、温度によって蒸発したり固体化したりと姿を変えるなどです。

お金が異なるところは、「高いところから低い所へ」移動する「位置」とは
「リスク」という事です。

お金はリスクの「高い」ところから「低い」ところへ流れていきます。
お金にとって、安全性の担保は最優先する事項だからです。

しかし、まれに、何らかの事情にせき止められているかのように、「高い」
所に滞留することがあります。
「高い」ことの見返りに、リターンがより大きいと期待されるときです。

リスクの高さの両極にあるのは、「国債」と「株式」です。
大量のお金を吸収することができるこの二つの市場は、したがって、お金が
常に滞留している状態となります。

■「国債」と「株式」の間のリスクの「高い」「低い」は、金利と益回り
で表示されます。
「益回り」とは一株当たり利益を株価で割り戻したものです。
PERの逆数となります。

ナスダックの平均的なPERを25倍とすると「益回り」は4%となります。
日経平均の平均PERは16.3倍程度ですから「益回り」は6.13%となります。

さて、アメリカではFRBによる金利の高止まりが継続しています。
10年国債金利は4.6%程度です。
ナスダックの「益回り」は、その金利を下回っています。
いわば、逆ザヤです。
本来のお金の動きであれば、債券市場へ移動が激しくならなければ、合理性
がありません。
何らかの要因(おそらく儲かったという記憶)がその移動をせき止めている
のだと考えます。

しかし、水と同じです。
ある一定尾の水準を超えた時に、せき止めていたダムは崩壊します。
そして、国債金利と平仄が合うところで安定します。

■日本市場の国債金利は0.8%程度です。
益回りと比較して、十分な順鞘です。
むしろその鞘はもう少し縮小してもいいくらいです。
株式市場というダムの水位はまだ渇水期のようではあります。

その渇水期のダムをめがけてアメリカなど海外からお金が流れ込んでいるのだ
と想定しています。
自国内でのお金をとどめている「ダム」が崩落する前に、あるいは、その崩落を
防ぐために放流するかのように日本市場へ流入しているのだと考えています。

お金と水は似ている。
心の隅にとどめておいてください。