「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに上昇。主要どころの決算が
通過したことで、市場には安心感が出たことと、月末のFOMCの結果待ち
で、大きな動きが出来なかった、という事だと考えます。
日本市場は、連休の谷間で海外勢を中心に活発な動きです。
売買代金も5兆円を超える大商いです。」
■FRBは昨年末に、2024年度中の三回の利下げを示唆しました。
ニューヨーク市場は、その「利下げ宣言」を好感して、金利引き下げで
株価が上昇する蓋然性が高い「グロース銘柄」を中心に、株価水準を
上げてきました。
最初の利下げ時期と想定されていた「6月」が近づいてきますが、経済指標
からは、金利引き下げの「必要条件」である「インフレの抑制」が確認
されていません。
むしろ、「インフレの再燃」が懸念されています。
「金利引き下げ」シナリオで株価水準を押し上げてきた市場は、相場上昇
シナリオを書き直さざるを得なくなっています。
とはいえ、「生成AI」が導く社会変化は、是からが本番です。
買い上げた「ハイテクジャイアント」の株を売るわけにはいきません。
しかし、新規で買いあがるほどの合理性もありません。
ニューヨーク市場では、ポートフォリオのバランスをとるために、「バリュー
株」への投資を進めている渦中だと考えています。
その買い勧める時期は、FRBが金利引き下げを決めるまでです。
■日本市場は、決算開示が続いています。
日本版マグニフィセント7である、時価総額上位の半導体製造関連銘柄の業績
に注目が集まりますが、現状までに開示されている関連銘柄は、その評価
されている株価に対して、業績の結果としての数字、ガイダンスともに不足
しています。
日本のハイテク半導体関連銘柄は明らかにアメリカの同様の銘柄と比較して
割高すぎます。
短期的な上下はありますが、傾向として、水準訂正が行われざるを得ません。
日本経済の回復に対する海外投資家の関心は強く、今後ますます、投資資金
の流入が続くと考えています。
「先物」がけん引して、株価水準を上げるのは明白ですが、比重が大きく
なりすぎており、業績の結果がついてきていない、これまでのハイテク
銘柄から中心銘柄が変化していくと想定しています。
高すぎるPER、PBRはそれ自体の重さで株価を下げるのです。
「株価は自らの重さで下がる」です。