代表中野を嗤え「値上げ」(2024.05.07)

「1971年(昭和46年)に高田渡というフォークシンガーが「値上げ」
という楽曲をリリースしました。
当時は、石油ショックが起こる前で、日本が「高度経済成長」を
謳歌していた最後の時期でもあります。」

■「値上げは全然考えぬ。年内値上げは考えぬ。当分値上げはありえない。
極力値上げは抑えたい。今のところ値上げは見送りたい。
すぐに値上げを認めない。」

という歌詞で始まる高田渡の「値上げ」という楽曲は、当時の政府を
揶揄した歌として、まだ高校生だった私にも小さな衝撃をあたえました。

当時は、まだ、米価が統一されていた時代です。

内閣総理大臣の国会答弁を真似した歌い方はまだラジオでしか聞けな
い時代でしたが、懐かしく思い出されます。

当時は、「高度経済成長」の最終段階です。
賃金は毎年上昇していました。
しかし、資本主義経済の宿命として、賃金上昇は、常に物価上昇から
遅行するという事を思い出させてくれます。

■大衆は、常に、理不尽な要求を行います。

「生産性向上」「コストカット」などの企業内部努力を行ったあとで、
利益を積み上げ、賃金上昇に導く、という手法は、競争相手が存在し
ておらず、経済が一定であれば可能かもしれません。
しかし現実的には不可能です。

企業は「利益」を拡大して、その範囲でしか「賃金上昇」を導くこと
ができません。
手早く実現しようとすれば「値上げ」が最良の手段であることは明確
です。

多くの企業が一斉に始めれば「合成の誤謬」で、世の中のおよそすべての
価格が上昇することは仕方がありません。

かくして、「春闘」では、高い賃上げが実現しました。

■メデイアは「値上げ」に「賃上げ」が追い付かないとして、政策を
非難していますが、それは「理不尽」というものです。

長く低迷していた「賃上げ」が再開するためには、当初は「値上げ」が先行
せざるを得ず、「賃上げ」が「値上げ」に追いつかないという状況が起きるのは
むしろ当然なのです。

1971年当時はまだ、太平洋戦争の名残があり、「米」「塩」は価格が統一
されており、「銘柄米」「銘柄塩」などは市場にありませんでした。

現代は、当時より、市場が機能をしています。
「値上げ」をして、その価格に見合わないと判断されると、選択肢が増えている
消費者は容赦なく価格に見合う別の商品を購入できます。

メデイアは常に「欲望」に忠実です。
そのため、「理不尽」で、『いいとこどり」の報道を行います。
その報道が行き過ぎると、大衆はより悪い方向へ進んでしまう事もあります。

日中戦争から対米戦争、日露戦争、におけるメデイアの果たした役割は
如何ばかりであったか、考えてみたいものです。

騙されないように煽られないように大衆は以下にすべきか。

冷静に合理的な判断ができるように、自分なりの考え方を持つことだと
考えています。