「昨日のニューヨーク三指数は、三指数ともに最高値を更新するという
強い動きでした。CPIの結果、小売り売上高の減少などで「金利引き下げ」
の蓋然性が高まった、というのが材料です。
日本市場は、追随していますが、値上がりに比して値下がり銘柄数が多く
指数先行の動きであることがわかります。」
■昨日開示されたアメリカCPI、小売り売上高の数字は、インフレの落ち着き、
消費の落ち込みによる景気の減退を示しています。
「インフレ」ではないという事で、「反射的」に「金利引き下げ」を連想して
株価を押し上げたものです。
しかし、株価はすでに、低すぎる「益回り」です。
債券市場との逆ザヤはさらに拡大しました。
この状況で、株高を説明するためには10年債金利が3%を割り込むくらいの
「金利低下」が無いと説明がつきません。
つまり、つじつまの合わない状況は、必ず修正されると考えています。
短期投機筋と想定される買い方の仕掛けがやりすぎているのではないか、
そう考えます。
アメリカのSQは金曜日です。SQ前の買い仕掛けではないのか、そう疑って
いるところです。
■日本市場は決算通過です。
25年三月想定は、合計すると24年三月比4%の減益想定となりました。
日本的な「保守的」な慎重な決算が、「合成の誤謬」として、市場全体に
影響を与えていると考えます。
日本企業の25年三月期の減益想定の多くは、決算書を読み解くと、「構造改革」
「償却」など前向きな損失の計上が主流です。
数字上は減益ですが、製造業の為替想定が140円台が主流であるように、「円安」
ののりしろが多くあります。
4%の減益想定ですが、為替差益が10%あるとすると、次の決算を締めてみれば
増益に転じている可能性が高いと考えています。
そのあたりを読み込んでいくには、もう少し時間が必要です。
来週からが長期投資家の出番だと考えています。