市場の目「買う理由、買わない理由」(2024.05.24)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに下落しました。ダウ平均は今年最大の
下げ幅でした。

日本市場は「エヌヴィデア」株上昇で身構えましたが、肩透かしにあった感じです。

まだまだ「買う理由」は強くはないという事です。」

■ニューヨーク市場は27日(月)はメモリアルデーで休場です。
三連休を前にして、利益確定を速め、ポジションを軽くしておくことは投資家の
通例です。

株価次第では、中長期筋は「買う理由」が生まれますが、短期投機筋は、「買わない」
「買えない」タイミングではないでしょうか。

短期投機筋は、相場の下支えにはなりませんが、相場水準を動かす牽引力となります。

ニューヨーク市場」は「景気好調」「金利引き下げ」という期待する好材料が
一向に実現していません。
次第に、動きづらくなっていると考えます。

短期投機筋にとっては、地政学的リスクであれ、政治であれ、何らかの変化の兆し
が必要なのです。
市場の「空気」が変化する時にその変化した方向にバイアスを置いてけん引することが
最も短期的には儲かるからです。

■日本市場も同様です。

日本市場の水準を押し上げてきた短期投機筋の動きが鈍くなっています。
海外の長期投資家の買い越は継続しており、財務省ベースでは今月も7000億円近い
買い越しです。
この買い越は、好業績の日本の割安株に向かっていると考えています。

反面先物は売り越しが続いています。
タンんき投機筋は仕掛けが難しくなっているのです。

昨日もコメントしましたように日経平均の構成銘柄は「半導体関連」にバイアスが
おかれすぎています。
そのため、先物で水準を上げた後は現物で「値がさ半導体株」を買いあがれば、水準
を切り上げることは比較的容易でした。

「値がさ半導体」銘柄の決算b数字が「エヌヴィデア」並みに好調であれば問題は
無かったのですが残念ながら決算数字は高いPERを維持するには物足りないもの
でした。

それでは、年初からの先物と現物の連携による日経平均押し上げシナリオが機能
しません。

それが現在日経平均がもみ合いを継続している背景です。

■さて一方では、海外投資家の現物買いが継続しており、日本の機関投資家の出動も
想定されています。

年初から三月までに起きたSQに絡めての派手な動きは、期待できませんが、明確な
「買う理由」を持った投資家が存在していることも事実です。

投資マインドを「超短期」から「中期」に入れ替えて「買う理由」がある銘柄を
探すことが現在投資家が行うべきことではないでしょうか。