「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに上昇。小売り売上高が、市場想定
よりも伸び率が低く、「金利引き下げ」期待の増加が原因です。
何よりも「エヌヴィデア」を中心とする「最先端半導体」ビジネスと実装化
したビジネスの拡大への期待感が強まっていると考えます。
日本市場は、今晩のアメリカ市場の休場を控え「じり貧」です。
昨日の「自律反発」を維持する程度にとどまりました。」
■アメリカの小売り売上高の減少は、アメリカの景気後退の証左です。
アメリカ経済の強さの背景は「消費の強さ」にあります。
「消費」が強ければ「小売り売上高」は増加を継続すると想定していますが、
それが減少を始めたという事は、確かに「インフレの鎮静化」を象徴しますが
なにより、アメリカ経済の後退懸念が強まります。
アメリカ経済は、構造変化を余儀なくされます。
内需主導の経済は、後退し、「ハイテク」企業は世界に躍進していく、という
シナリオになるのではないでしょうか。
「ハイテク企業」が多いナスダックは堅調ですが、ダウ平均は、下落するという
可能性があります。
分岐点が続きます。
■日本市場は、アメリカの半導体株の堅調さに連動して寄り付きは高く始まり
ましたが、長続きしていません。
別コラムでも書きましたように、「エヌヴィデア」と日本の半導体株の業績
連動は限定的なのです。
日本市場が、長くもみ合いを継続しているのは、日本経済の回復と成長速度
が減速しているのではないかという懸念が最大の理由です。
上場企業の多くが慎重な今期見通しを出し、現実的なGDPも4月はマイナス
です。
日本市場を「買う」理由は実は希薄化しているのです。
株主総会による「自社株買い」の動きの停滞も背景にあります。
経済統計は次第に改善してくると想定しています。
また、企業業績も第一四半期以降の開示が進むと、上方修正が明確になると
考えています。
つまり、日本市場のもみ合いは一時的だと考えるのです。
■「果報は寝て待て」です。