「昨日のニューヨーク市場は半日取引でした。ダウ平均は下落しましたが、S&P
ナスダックともに史上最高値を更新しています。
日本市場も指数取引がけん引して、TOPIXが史上最高値を更新、次いで、日経平均
も最高値を更新しました。」
■アメリカで開示されている経済指標は明らかに悪化しています。
ISM景況感指数は製造業、非製造業ともに悪化しています。
新規失業保険申請件数も増加しています。
雇用関係も悪化を見せ始め、景気敏感株が採用されているダウ平均は下落しました。
「ドル高」の長期化は、アメリカ国内の「インフレ」鎮静化には功を奏しますが、
アメリカの製造業や輸出産業には、ダメージが加わります。
アメリカの製造業は、アメリカ国内から「サプライチェーン」を求めて海外に
続々と流出していくことになると考えています。
「ドル高」の張本人であるハイテクジャイアントがけん引するナスダック市場は
依然堅調です。
国内景気にはあまり影響を受けないこれらの業種は世界中からドルを稼ぎ出す
存在として影響力を大きくしていると考えます。
債券金利もいよいよ下落トレンドが出そうです。
■日本市場は、今年年初と同様、指数先物→現物買いという手順で、上昇
しています。
今回の上昇の特徴は、より幅人い銘柄に物色が入っていることです。
そのために日経平均と同様TOPIXも史上最高値を記録しました。
日本経済に対する期待感が再び回復していることが原因だと想定しています。
日銀短観などはまだ後ろ向きですが、現実的な経済の動きは回復過程とみられて
いるのだと考えます。
しかし油断は禁物。
毎年アメリカの「独立記念日」の日は株価が高いことが多く、あくる日から下落
することも多くあるからです。
来週は7月のSQがあります。
来週金曜日ですが、それまでは、オプションの買戻しを誘うような動きが続く可能性が
有ると考えています。
■日本経済の本格的な回復が確認されるのは7月末からの第一四半期決算の開示以降
だと考えています。