「新NISAの登場により、投資信託の積み立て投資や、個別銘柄の
投資に関して、さまざまなことが喧伝されています。
共通しているのは「長期」「分散」「積み立て」という考え方です。」
■「長期」「分散」「積み立て」という考え方は、実は提案する側にとって
結果がすぐに出ない、ある意味「責任を回避」できるキャッチフレーズです。
実際に投資をする側からすれば、急な資金需要もあり、「長期」「分散」
「積み立て」が継続できないこともあります。
しかし、提案する側には、「長期」にせず「短期」だからリスクが生まれたのです。
「分散」しなかったから損をすることもあります。
「積み立て」でリスクを軽減するので途中の経過は気にしないように
などと言い訳が簡単にできる「キャッチフレーズ」でもあるのです。
資金の需要から大量の資金を寝かしておくことができない投資家も多くいます。
ある意味「長期」「分散」「積み立て」は資金的に余裕がある投資家層にとっての
投資手法なのだと考えています。
■株式は、経済が成長を続けている限り、その成長の成果を反映して上昇します。
「資本主義」がうまく機能していれば、経済は、毎年成長を続けていきます。
「長期」投資が機能をするのは経済が成長をするという共通の「思想」を基本と
しています。
同様に「分散」は、経済の成長はすべての業種や産業が一律に成長するとは限りません。
特定の業種の成長が早かったりあるいは停滞したりすることもあります。
その意味で「分散」も有効な考え方です、
「積み立て」は、定時定額で積み立てをしていくと、経済の変動や相場の変動に対して
「ドル平均法」というコスト低減効果が生まれます。
「長期」「分散」「積み立て」は待ちがったことを伝えているわけではないのです。
■肝心なのは、投資する側の方です。
自信の投資できる資金の管理がきちんとできていない、という事が最大の問題です。
投資できる資金が、毎月入手できるのか、あるいは二カ月に一回なのか、それとも
一時金以外にないのか、それによって、投資手法は異なるはずなのです。
個人個人で異なる需要がある中で「一律」に手法を管理しようとする方が間違えて
いるのです。
「短期」「集中」という手法が必要な方もいます。
まとまった資金が必要だからです。
「積み立て」ではなく「一括」で、投資をしたいという需要もあります。
退職金などの資金を「積み立て」で、継続するのは面倒だからです。
こんな単純な需要は投資家自身が考えて決定する他ありません。
■NISA制度がはじまり半年が過ぎました。
当初の「熱気」が冷めて「冷静」になりつつある今こそ、自分なりの投資戦略、
投資の思想を考えるべきです。
そして、「待つべきは待つ」「短期で勝負」などの自身の手法を確立する事だと
考えています。
「何もしないで」「誰かに助けてもらう」という精神では先には進めないと思います。