市場の目「SQ通過」(2024.09.13)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに続伸。アメリカでは9月FOMC
での「金利引き下げ」幅が0.25%か0.5%かで未だ議論が継続しています。
0.25%なら「為替」は安定、「0.5%」なら「ドル安」という構図です。

いずれも相場を動かしたい投機筋のやり方です。

日本市場は無地SQを通過しました。」

■アメリカ景気をけん引していく分野は、やはり、「ハイテク」「生成AI」
だと想定しています。
昨日、「エヌヴィデア」の社長が会見で、「同社の最新チップ」に対する
需要が極めて旺盛であるとコメントしました。
そのコメントで、改めて、ハイテク銘柄が買いなおされ、ニューヨーク
三指数は堅調に推移したと考えています。

■「生成AI」相場に関しては、批判的なコメンともあります。
つまり、「AIチップ」を提供する「エヌヴィデア」などの半導体メーカーは
儲かるが、導入コストも高く維持コストも高い。また、活用法も理解されず、
そのほかの企業は、減益となるに違いない。
というものです。

7月から8月に拡散したそんな噂で、「生成AI」関連銘柄の勢いが減衰したこと
は否めません。

とはいえ、「生成AI」もしくは「AI」による社会の改善には大きなメリット
があると考えています。

とりわけ、「労働生産性」を上げていくためには、どうしても「AI」による
計算や分析を活用したほうがいいと思うからです。
日本では、40年来の「人不足」が続いています。
労働効率を上げ、生産性を上げていくことは必須です。
また、その行動は、「改善」運動などが大好きな日本人には受容されやすい
のではないかと考えています。

また、一度便利な仕組みを活用してしまうと、中々もとには戻れません。

「生成AI」に対する周辺企業衰退論は単なる「嫉妬」ではないでしょうか。

■来週は日銀政策決定会合があります。金利を上げるというような状況では
ないため、平穏に終了すると考えています。
しかし、聞きたいのは、日本銀行の方針です。
現状で日本銀行が、この低金利の中で金利を上げられないという事は、日本の
景況感が良くないという証左でもあります。

景況感が悪い中で株価が上がるという事はありません。

しかし、日本の景況感が悪い中で、「円」に対して買いが入るというのも
経済合理性から考えるとおかしなことです。

9月は、日本企業の多くが半期決算を迎えます。海外に拠点を保有している日本企業
の海外店からは、半期の利益を日本へ送金する必要があります。
世界最大の国外資産を保有する日本です。
「円買い」の圧力が水面下で強く影響しているのではないでしょうか。

海外投資家とりわけ短期投機筋から見ると、日本企業の増益基調は「円安」で
もたらされたものであると考えられています。
「円安」で増益であるなら「円高」は減益ではないか。単純にみられると「円高」
は日本株売りになります。

しかし、通期で考えると、「円安の時期」もあり、137円台で今後推移しない限り
期初の予想は崩れない計算ができます。

想定外の日本企業の強さを開示するのは半期決算です。
その時期まで、我慢する以外ないかもしれません。

■欧州でも金利が下がりました。
日本だけが金利を上げようとしているというのは、面白おかしくコメントされます。

しかし、金利を下げるという事は、欧州の場合は明らかに景況感が後退している
からです。
とりわけ、ドイツやフランスの景気後退は鮮明です。

日本は、景気回復過程です。
そのために、加速しすぎないように、減速しないように金利を管理する必要が
あります。

日本銀行の金融政策に大きな祖語は無いと考えています。

■来週はFOMCと日銀会合と中央銀行週間です。

結果が出る前に「岡目八目」で、周辺から様々な声が出ます。
それにつれて短期投機筋が仕掛けを行います。

いささか売られすぎた日本株です。

再上昇のタイミングはそれほど遠くはないと考えています。