代表中野を嗤え「為替の不思議」(2024.10.04)

「ニューヨーク市場は三指数ともに停滞しています。その中でアメリカの
債券市場はじりじりと金利を上げています。
そして、為替も同様に「円安」基調に変化しています。
何故なのでしょうか?」

■自民党の総裁選挙前は、「金利据え置き」の高市候補、「金利引き上げ」
の石破候補という「見立て」で、高市候補優勢の時には「円安」に向かい
石破候補優勢になると、「円高」へぶれました。

日本の「金利」が大きな要素となっていたわけです。

さて、石破「総理」に決定した後、「石破総理」は何故か、素早く変節
しました。
「金利は引き上げる状態にない」とコメントしたり、「金融取引増税」も
先送りしたりと、選挙に向かい、必死の対応をしています。

現在の「円安」傾向は、これ等の日本側の背景もありますが、一方の
アメリカ側にもより大きな背景があると考えています。

■アメリカは前回のFOMCで政策金利を0.5%引き下げました。
そして、それ以降も順次金利を引き下げていく方針を打ち出しています。

アメリカの経済の「ソフトランデイング」が期待されています。
確かに、アメリカ経済の各指標は順調な動きをしています。最大の懸念である
「インフレ」は鎮静傾向であり、雇用は安定し、賃上げも落ち着いています。

FRBが金利を引き下げる基準として、「中立金利」という考え方を保有して
います。
その「中立金利」は「自然利子率」などに様々な要素を加えて算定していますが、
経済が好調であるがために、中立金利自体が徐々に上昇している可能性があります。
現在2.8%程度とみられている中立金利が3.5%程度まで上昇してくるかもしれません。

そのため、市場が期待している金利引き下げ程、「政策金利」が下がらない
可能性が高まっていると想定しています。
日本との金利差縮小に歯止めがかかりそうですから「円安」という事なのでしょうか。

もう一つは、長引く「イスラエルの紛争」です。
アメリカは歴史的にもイギリスから引き継いで「イスラエルの守護者」と
なっています。

現状でも、いやいやながらイスラエルの紛争に関与することになっています。

大規模戦争に進まないとしても、この関与により、アメリカの軍事予算は
拡大します。
財政赤字がさらに拡大する可能性が想定されます。

財政赤字の拡大は金利低下を阻害します。

■この二つがアメリカの金利低下の限界を想定させ、日本との金利差の縮小
が限定的となりつつあります。

「円安」の背景はこちらにあるのではないか、そう考えています。