市場の目「所信表明演説」(2024.10.04)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに小幅下落。イスラエル紛争の激化
などで動きづらいうえに、今晩の雇用統計待ちという事で小幅な動きに
なっています。

日本市場では石破総理の所信表明演説が行われましたが、あまり市場には
影響していないと思います。
それよりも「円安」です。」

■今晩の雇用統計は、11月のFOMCへ向けて金利引き下げ幅を想定するのに
重要な指標となります。
市場が期待するような大幅な金利引き下げにはならないのではないか、という
懸念が、株式を買いあがる力を棄損しています。

金利引き下げ期待での株高期待が薄まるときには、個別企業の業績の好調さ
が重要になります。

アメリカの株式市場では、大統領選挙の結果が明確になるまでは、個別企業
の業績開示で、動意づくのではないかと考えています。

■日本市場では、「石破総理の所信表明演説」に関しては、大きなインパクト
がありませんでした。

内容的に新しいものはなく、「地方創生による経済成長」といういつもながらの
コンセプトが中心です。
しかし、それが極めて難しいことは、竹下内閣の頃から実証されています。
石破総理がイメージしているような茫漠としたことでは到底「地方創生」は
出来ないのです。
「地方創生」は「アベノミクス」「岸田政権」の頃から着実に具体的に進んでいます。

現状認識と方向性を示さない限り、お題目の「地方創生」では、せいぜい、市場は
「道の駅」の発展形のような小型銘柄しか見つけられないのです。
つまり、具体性と実現性に疑問があるという事です。

石破政権は「アベノミクス」がついて、「菅第一次政権」がこねて、「岸田政権」
が丸めた餅を眺めているだけという印象です。

これでは株式市場は動けません。

■本日の「所信表明演説」で、石破総理の選挙前の「ノルマ」は終了しました。

後は円滑に選挙を進めるだけです。
既に就任直後の総理としては、低い支持率しか獲得していない政権です。

選挙期間中は無難に過ごすことが第一義となると考えています。

相場は、個別銘柄物色になります。