「トランプ次期大統領の当選により、トランプ氏による政治公約の様々な
矛盾が世界の混乱を読んでいます。
矛盾だらけの政策は、時間のずれによっ整合性が出来るのですが、さて、日本
における矛盾はどうなるのでしょうか。」
■「減税と関税」がトランプ政策の中心となっています。
「減税」で、景気が促進され、関税で物価が上がれば、インフレが再燃して
来るではないか、インフレに苦しんだアメリカの消費者はさらに混乱するのでは
ないか。
という懸念が大半です。
しかし、同時に「減税と関税」政策が実施されればそうなりますが、時間差があれば
そう簡単ではありません。
「減税」が先にくれば景気の拡大が先に来て、需要が先に拡大します。
拡大した需要に対して、「関税」がぶつけられれば、急速なインフレ再燃はある程度
防げます。
事程左様に、政策はそれが実行される時間軸が極めて重要になるのです。
■日本では、バラマキ政策が与野党の政策公約の中心です。
「賃金は上げろ」「最低時給1500円実現」「電気料金などの公共料金は上げるな」
「税金は安くしろ」「公共福祉は手厚くしろ」などなど枚挙にいとまがありません。
政府の仕事は、国民へのサービスです。
国民の「生命と安全」「資産の保護」を行うのが使命です。
しかし、そのサービスは、ボランテイアで行われるものではありません。
サービスの質を維持し向上させるためにも、有償で行われる必要があります。
さて、国民の税負担を軽減するとすれば、どうしても国民に対するサービスの費用が
減少します。
サービス向上と費用の関係は民間では比較的明確です。
「賃金を上げろ」という要求は至極もっともですが、賃金を上げる事により賃金を
支払う会社が破綻しては、元も子もありません。
解決するためには、時間差がありますが、経済を拡大させる政策をとりながら、拡大した
経済の取り分をサービスに振り向けられるよう、政策を実行する他無いのです。
『いいとこどり」の政策はあり得ないのです。
■選挙が来年の夏には又あります。
党勢拡大に味をしめた野党が再び、「無いものねだり」的な公約をうたい始めます。
しかし、有権者として考えるべきは、あるいは投資家として考えるならば、「いいとこどり」
ばかりではない「拡大再生産」経済を考えるべきなのです。
トランプ氏の次期政権は、意外とまともにそのあたりを考えている、そんな気がします。