「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに小幅反落。小売り売上高
などの指標が安定しており、債券金利が低下しましたが、前日の
大幅上昇に対する利益確定が先行した形です。
日本市場は、「円高」による「オプション売り」で、水準をもう一
段下げました。」
■ニューヨーク市場では明日「SQ」が到来します。先物やオプションの
決済日です。
それを直前にした投資家から利益確定の売りが出てくるのは致し方
ないところです。
まして、来週早々にトランプ政権へ移行します。
政権が移行する前に、どのような方針や政策が出てくるのか明白では
ないタイミングで、ポジションをとるのは得策ではありません。
投資のタイミングはよく見極めることが大事ですし、大量の資金運用
であればあるほど、慎重になるのは当然のことです。
政権の意向が始まり、方向性が見えてくるには少なくとも数週間は
必要です。
来週の政権移行で相場は方向性が見え始めますが、明確になるのは
もう少し時間がかかると考えるべきではないでしょうか。
■日本市場では日本銀行が来週金利を引き上げることを前提とする動き
があります。
「エコノミスト」の70%が今月の引き上げを想定しているとのことです。
ある意味それだからこそ、「エコノミスト」の机上の空論は相場には
役に立たないと考えている次第です。
植田日銀総裁は、「金利引き上げ」が必要であることに関して肯定して
います。
しかし、条件は、「景気動向」「賃上げ状況」「トランプ政権」と明確
に提起しています。
1月にはこの条件の中でどれほどの条件が合致しているのでしょうか。
金利が引きあがることで何らかのメリットが「エコノミスト」やそれに
追随している人にもたらされるのでしょうか。
昨年の7月に日本銀行は大きな傷を負いました。
「エコノミスト」的には、何の問題もなかった「金利引き上げ」が市場
では大きな衝撃を与えました。
その教訓を考えると、市場が納得するためには、「第三四半期決算」「春闘」
「トランプ政権の方向性」が見えてくる3月以降で「金利引き上げ」を納得
させるというのが筋ではないでしょうか。
■世界の投資資金は静かに移動を始めています。
ドルと円だけが世界の通貨の中で強くユーロや元は反落しています。
消去法とはいえ、世界の中で相対的に堅調な国、アメリカと日本という事
です。
焦ることはありません。
来週以降のタイミングを見極めればいいことです。