市場の目「オオカミ少年トランプ関税」(2025.02.19)

「休日明けのニューヨーク市場は三指数ともに小幅上昇。トランプ大統領の
不規則な「大統領令」の発信、コメントの発信に市場は少し辟易し、具体化
しないコメントに対して、「オオカミ少年」に対するような安心感さえ、
持ち始めているとおもいます。

日本市場も同様に小幅な動きで下落です。」

■自動車にも、半導体にも医薬品にもとにかくなんにでも関税をかける、という
トランプ大統領のコメントは、次第に、現実離れをしてきていると思います。

主要政策の内「関税」を武器に政治を進めることはよく理解できましたが、
肝心の「減税」の方はまだ一向に見えてきません。

「減税」なしの「関税」強化だけではアメリカ国民の負担が増えるだけです。

このまま輸入木材や住宅関連部材にも関税がかけられるとなると、新規住宅
受注が停滞している中で、さらに停滞を推し進める事にもなりかねません。

「関税」は大統領令で済みますが「減税」は法律が必要です。

つまり、法律が通るまで本格的な「関税」政策は取りづらいと考えています。

■日本市場は日本銀行の追加利上げが前倒しになる懸念で市場は模索しています。

債券が売られ金利が上昇しています。

金利が上がれば銀行の利ザヤが膨らみ儲かるという反面、銀行、とりわけ地銀
が保有している国債の含み損失が急拡大している、という事でもあります。

経営規模の大きな銀行は影響が軽微ですが、規模が小さく、融資の比率が小さく
保有債券が多い銀行は、利幅の拡大以上に含み損失が拡大する可能性があります。

愈々地銀も経営基盤による格差が出始めるのではないかとかんがえています。

株式相場は、テクニカル70%ファンダメンタルズ30%と言われますが、方向性が
明確に見えない時には、すこしファンダメンタルズの比率を高めて相場を見る
事も必要だと考えている次第です。