「昨日のニューヨーク市場は三指数とも小幅下落。昨年末の個人消費も
堅調に伸びており、「金利引き下げ」の口実がなかなか見えてこず、債券金利が
再度上昇していることが背景です。
景気はノーランデイング、インフレは鎮静化、金利は大幅下落、という都合の
いいシナリオがいつまでも市場で続けられることは無いと考えています。
日本市場も全世界の株安にお付き合いした形です。」
■アメリカではいいとこどりが続くという楽観に基づく相場形成が、やや停滞を
し始めています。
現在進行している決算開示が思ったほどいい数字の会社が多くなく、上値を買い進む
には、力不足というのが真相だと考えます。
これから出てくる大手ハイテクの決算までは、もたもたした動きが続くのではないで
しょうか。
ハイテクジャイアントの決算待ちというのがニューヨーク市場の実態です。
反面、ひそかに日本市場へは、投資資金の流入が続いています。
■世界中から注目され始めている日本市場ですが、その背景には「新NISA」による
2000兆円の個人資金の証券市場への流入が大きいと考えています。
残念ながら、初動の資金は、日本市場に向わず、アメリカ市場や「オールカントリー」
等の投資信託へ向かっています。
今週に入ってから上海市場で日経平均ETFが、過剰人気を集め、売買停止
になるという事態を招き、波乱要因となりました。
中国人が、日本株は儲かるというシンプルな思考で、日経平均に殺到しているというのは
なんとも奇妙な感じがします。
しかし、個人投資家の投資マインドは常に、「儲かる」というイメージに連動します。
まだ、多くの個人投資家は海外のETFや投資信託に向っているように、日本株が
意外とパフォーマンスがいいという事に気が付いていないような気がします。
証券会社や株式コメンテーターの多くも慎重なコメントが多く、日経平均38915円という
シンボル的な株価を今年抜けないと考えている人が大半です。
長く続いた日本株の低迷がそういうコメントになっていると考えます。
しかし、冷静に考えてください。
日本株は、2011年の東日本大震災以降、継続して右肩上がりを続けています。
この13年にわたる株価の上昇でも、デフレマインドがぬぐい切れないのは、おかしな気がします。
新年の企業経営者のアンケートでは約半数の経営者が、日経平均の38915円越えを想定
しています。
現実の企業経営を担っている人たちが自分たちの会社の業績を鑑みて、景気がいいと判断
しているのだと思います。
■「人の行く裏に道あり花の山」です。
日本市場もアメリカ同様決算開示が始まります。
好調な決算が見え始めると空気感は次第に変化すると考えています。
何時までも、効率があまりいいとは想定できない「オールカントリー」ファンドで、安心
していると、臍を噛むことになるかもしれません。