市場の目「印象操作」(2025.06.12)

「昨日のニューヨーク市場は、三指数ともに小幅安。
ベッセント財務長官とトランプ大統領の関税に関する微妙な齟齬、
米中関税問題は休戦したけれど、解決はしていないという印象、
カリフォルニア州への海兵隊の派遣など、アメリカの混乱が
際だっているのだと思います。

日本市場は、SQを前に、38000円台の維持です。」

■アメリカのCPIの数字は、市場予想を下回る伸び率でした。
今晩のPPIを観たいところですが、「関税でインフレにならなかった」
とトランプ政権は声高に叫んでいます。

しかし、これだけ、政権の発言が、「朝令暮改」で変化するとしたら
消費者が、消費を差し控え、小売業者は、売り上げを上げるために、
在庫整理などで値引きをしたと想定するほうが腹落ちするのではない

でしょうか。

トランプ政権は、「ドル安」を望んでいると言われます。
「アベノミクス」が成功したように、アメリカの製造業を活性化する
ためには、「ドル安」で輸出しやすくするのが方策だと考えている
ようです。
しかし、GDPの半分を占める日本の製造業とGDPの15%程度のアメリカでは
事情は異なります。

「金利引き下げ」→「ドル安」は直ちに、アメリカの貿易収支を悪化
させます。
「ドル安」による、物価高への影響も懸念されます。

トランプ政権は、何とも、政策の順番に齟齬があるようです。

■日本市場は、SQを前にして、様子見です。

材料がありません。

アメリカの顔色を見ながらの模様眺めだと考えます。

■ロスアンジェルスは、デモが行われている地域以外は実に平穏です。
普段と変わらない生活が行われています。

大リーグの試合は変わらず行われています。

果たして、トランプ大統領は、何のために「州兵」を派遣し、「海兵隊」
を出動させたのでしょうか。

現実的には、混乱を収拾しているのは、現地の警察です。
派遣した「兵隊さん」は「研修中」です。

トランプ大統領の「印象操作」がまたしても行われているわけです。

自分の判断で混乱が収拾したと、現実とは乖離した話をでっちあげているのです。

おそらく、イランに対しても同じことをイスラエルを通じて行うかもしれません。

水からは手を汚さずに、手柄だけは自分のモノにしたい、そういう印象操作
に、いつまでアメリカ国民は騙され続けるのでしょうか?