「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに反落。イランイスラエル戦争
の激化が影を差しています。
日本市場は「不思議な」上げが続きます。」
■日本市場の不思議な上げには理由が二つあります。
一つは、カブスに総会が順次終了し、配当金が支払われることで、方針
が決まった年基金機構が買いを勧めている事です。
長期保有の代表的な投資家の買いがアメリカの市場と乖離した日本市場
の動きを形成しているのです。
もう一つは、投機筋です。
4月のトランプ関税の発動から、「ドル売り、円買い」を実行した投機筋
が大量に存在しています。
徐々に「円買い」のポジションは縮小されていますが、以前として大きな
ポジションがあります。
「円買い」のポジションをとるときには、同時に「株式の先物売り」を
行います。
「円高」→「株安」が一つのパターンだからです。
ところが、想定したように「円高」が進みません。
トランプ関税の動向を見極めるため、日本銀行の金利引き上げが先送り
されています。
また、FRBも頑強に金利を維持しています。
さらに、イランイスラエル戦争で、「有事のドル」の材料も出てきました。
■投機筋は巻き戻しをしなければなりません。
今週末の「トリプルウィッチング」の時には、上期の利益を確定しておきたい
ヘッジファンドが多くあります。
「円買い」「先物売り」の巻き戻しが起きていると考えています。
需給関係で見れば年金基金の実需の買いは強力です。
しかし、先物売りの巻き戻しも強い動きです。
指数寄与度がたかい、アドバンテストなどの株がけん引しているのは、先物
筋の仕業だと考えています。
いずれにしても今週いっぱいです。