市場の目「遠くの戦争は買い」(2025.06.23)

「週明けの日本市場は、小幅な下げで、止まっています。
「遠くの戦争」は「買い」とまではいかなくても大きな影響が
ないということかもしれません」

■アメリカによる週末のイラン攻撃は、極めて唐突でした。
イランが、イギリスなどを通じて行っていた停戦交渉の最中での
集中爆撃は、「TACO」トランプの否定でもあるのでしょうか。

ロシアの影響力が喪失しつつある状況で、中東の安定はイラン
の無力化にあります。
既にシリア、レバノンは、鎮静化しています。
イラク、アフガニスタンもおとなしくなっています。
残るイランが安定化すれば、アメリカの中東における軍事力の比重
は大きく下げることができます。

アメリカは、大西洋、地中海方面より、太平洋を主体とした軍事力
に転換したいのだと考えています。

■イランの抵抗で問題なのは、「ホルムズ海峡」です。
「ホルムズ海峡」が封鎖されなければ、石油価格は安定します。
既にイランからの供給は中国向けに限定されており、イランの石油生産が
世界の石油需給に大きく影響することはありません。

また、「ホルムズ海峡」を封鎖するとなると、サウジなどの湾岸諸国との
対立を深めますし、本格的にイラン攻撃が強まります。

イランの宗教政治がどのような形で終息するのかが注目です。

「アラー」の力では政治は動かないという事です。
「政教分離」を進めなければ、中東における他国との経済格差はさらに
拡大します。

イランの決断が待たれるところです。

■大きな戦争にはなりえないと考えている次第です。