「昨日のニューヨーク市場は、三指数ともに小幅安。今晩のCPI(消費者
物価指数)の開示を前にして、様子見姿勢が強まっています。
日本市場は、「踏み上げ」が続き、史上最高値を更新しています。」
■景気が後退している最中に物価が高騰していく状態を「スタグフレーション」
といいます。
その国の政府や金融当局にとって、最も厄介な状況です。
景気後退に対処するには、金利を下げなければならず、物価の高騰を
防ぐためには金利を上げなければならず、相反する経済運営、金融政策
を取らざるを得ないからです。
アメリカは、コロナ後の経済で、「スタグフレーション」の入り口に
立っていると考えます。
「雇用統計」で明らかなように、アメリカの経済には、「後退」の兆し
が見えます。
半面、「物価」はいまだ堅調です。
今晩の「消費者物価指数」が極めて重要な意味を持つ背景です。
「スタグフレーション」を回避するためには、やはり景気を刺激することが
先になると考えています。
景気が回復し、消費が巡航速度に入れば、物価の上昇は、自然と収れん
していくことが多いからです。
また、アメリカの物価上昇の背景が「関税」によるものであるとしたら
その影響は一過性です。
トランプ政権の「関税政策」が落ち着けば、問題の多くは解消します。
やはり課題は、雇用の維持増加と、それに伴う個人消費の維持なのです。
9月のFOMCでの「金利引き下げ」は、すでに市場で織り込まれつつあります。
とはいえ、それを確信するためには、「消費者物価指数」が、極めて
重要なゆえんです。
■日本市場は、「踏み上げ」が続いています。
いささか、行き過ぎの感があります。
調整局面が必要ではないでしょうか。