「日米ともに調整局面入り。逆指値注文で対応の準備を」
■週末のニューヨーク市場は三指数ともに下落しています。
とりわけナスダック市場は、「ラッパ足」を形成して、調整局面入りを示唆しています。
既に日経平均は、先週木曜日に「ラッパ足」を形成しています。金曜日に少し戻りましたが、相場の調整期間入りの示唆を否定するまでには至っていません。
背景は、日米ともに同じです。
「エヌヴィデア」がけん引するアメリカのハイテク株が、上昇速度が速すぎ、業績の実態との乖離が大きくなりすぎたことが理由です。
日経平均の上昇をけん引したのも値がさハイテク株です。
日本の値がさハイテク株は、2025年度にV字回復で業績が回復すると想定されていますが、現段階でのPERは、アメリカのハイテク株と比較しても割高観が強くなりました。
日本の方が株価と実績の乖離が拡大していると考えています。
日米ともにこの状態が解消されるとすれば、業績見通しの「上方修正」もしくは現実の「決算」での「業績見通し」の開示が必要です。
つまり、三月中に通期の「上方修正」が行われるか、「増配」「株式分割」などの資本政策の変更の開示があるかいずれかです。
それが無ければ、4月後半から始まる「本決算」とそれに伴う「通期想定」の開示で、株価との乖離が縮小されることを待つほかありません。
■来週開催される日本銀行の政策決定会合で、「マイナス金利解除」などの金融政策が決定する可能性があります。
「春闘の一斉回答日」が3月13日です。
日本銀行が「賃上げ」の定着を確認することができます。
3月18日19日に開催される日本銀行政策決定会合で「マイナス金利」解除の方向が決まると想定しています。
日本市場で、調整局面入りすると想定する背景のもう一つは、日本銀行の政策変更、およびその期待と、アメリカの債券金利の下落により金利差が縮小することです。
「円高」がより一段進行すると想定しています。
本来「円高」は日本経済に悪影響を与えるだけではなく好影響も与えます。
とりわけ、今後数か月以内に想定される「電気・ガス料金」の補助金の喪失が、日本の「インフレ率」を押し上げます。
原油価格が安定的であれば、「円高」は、「電気・ガス料金」を押し下げてくれる可能性があります。
政府としても国民としても好ましい状況です。
また、「円高」は、ドルベースでの日本株の評価を上げます。
海外投資家が主流となっている日本市場にとって、海外投資家が下支えをしてくれる可能性もあります。
また、個人投資家の「押し目買い」意欲も強く、年初からの上昇を喪失するほどの下げは想定できません。
■海外投資家が日本株へ投資をする場合「円買い」が必要になります。
「円高」要因です。
3月は日本企業の海外支店から本社への送金のため「円買い」が増加します。
「円高」要因が追加されるのです。
■今週以降は、調整局面に入ると考えています。
その期間は、4月中旬まで続くのではないかと想定しています。
決算のシーズンが始まり、行き過ぎた「理想買い」が修正されることを期待するからです。
気になる銘柄は、「逆指値」で、相場の下げに付き合わないことをお勧めします。
「逆指値」は、当日の「寄り付き」もしくは「引け値」のいずれか安い方で指すことをお勧めします。
その銘柄の勢いの転換は「安値」を下へ切り下げることから始まるからです。
とりわけ、上昇を続けている金融株は、日銀政策決定会合に伴う思惑で、今週も緩やかな上昇傾向になると想定しますが、とりわけ「逆指値」を継続してください。