市場の目「荒野の決闘」(2025.05.13)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに「リスクオン」。
大幅な上昇となりました。
日本市場も同様に上昇。一気に節の38000円を抜けてきました。」

■米中の貿易交渉は、成果を急ぐアメリカトランプ側と、愈々
国経済が危うくなり、やせ我慢の限界にある中国の間で、いわば
阿吽の呼吸ともいえる形で、双方が拳を降ろした、という事だと
考えます。

アメリカは中国に対して、主張したいことの半分も実現できず、
実績としては、合成麻薬フェンタノールの規制を中国が実施する
という言質をとれたことが成果です。

中国は、公安部のトップを会談に派遣して、その姿勢を見せました。

詳細は週末のレポートに書きますが・・・

アメリカは今月末に上程する「減税法案」の成立のためには、何としても
関税による歳入増加が必要なのです。

最大の輸入国である、中国に30%の関税であれば、アメリカ国民も
支払えるという事なのだと考えます。

「今日のところは、この程度で、勘弁したるわ」というセリフがお互いから
聞こえるような会談でした。

■とりあえずの米中戦争の緩和で株式市場は落ち着きましたが、これから
アメリカにとっては難しい主要同盟国との交渉が始まります。

日本政府はこのままいくとEUよりも遅くなるのではないかと危惧しています。

アメリカの意向は、とにかく、消費税の代わりに一律関税10%を実現させたい
のです。
そのあたりの機微を理解しなければ日本の交渉は空を切ります。

石破さんの頭でそこまで理解できるのか懸念しています。