株式コースのサンプル(2024.02.11)

「今週の気になる銘柄(2024.02.12)」

「3月メジャーSQを目指す動きと調整局面」

■先週、アメリカのCPI10月から12月の改定値が開示され大きな修正がありませんでした。

開示が続くアメリカの主要企業では、エネルギー産業を除く平均増益率は12.5%、エネルギー産業を加えても9.5%と順調な増益基調が続いており、株価の上昇を支えています。

先週懸念した、アメリカの調整局面入りは、株価上昇率があまり大きくなかったことで、その傾向は変わらないと考えています。

S&P500指数がついに「5000ポイント」を超えました。

この動きは、「強気筋」を力づけています。

チャート上は、ダウ平均、ナスダック、S&P500ともに、横ばい状態になりつつあります。

「調整局面」入りへの警戒は変わらず保持すべきだと考えています。

■アメリカの株価を支えている背景は、「順調な企業業績の伸び=好調な景気」「インフレの終息=金利低下への期待」です。

「好調な景気」は現状維持されています。しかしそのために「金利低下」のタイミングは後ろ倒しされそうです。

先週コラムでは指摘しましたが、「金利高止まり」は、着実に住宅着工などにブレーキをかけ続けます。

インフレの亢進による「家賃コスト」の上昇が「住宅需要」を押し上げてきましたが、インフレの終息は、「家賃コスト」の収束も招いています。

住宅建設のための「融資コスト」とのバランスに住宅需要の判断のバイアスがかかります。

個人向けの融資金利が上昇していることが住宅需要を停滞させ、それが景気全体へ下向きの圧力をかけないかと懸念するところです。

また、「新規住宅需要」の停滞と減少が、アメリカ景気の転換点を示すと考えています。

■円ドル水準は、ドル高円安傾向に傾いています。

日銀内田副総裁、植田総裁の「緩和政策維持」という宣言から、日本の金利は緩やかにしか上昇しないという確信が市場には共通認識になっています。

ドル高円安傾向は、極端な円安には向かわないと想定しますが、「円高」への転換は、当面あり得ないと考えるべきだと想定しています。

急速な為替水準の変化ではないため、国内企業は、「円安」シフトが進んでいると想定します。

つまり、「円安」を理由とした業績のマイナスを減少させる政策、「円安」に極度に依存しない企業体制の構築が、為替変動の幅が一定になることで進められていると考えます。

「円安」が一ドル170円を超えてくるような極端な状態、あるいは、120円を超えるような「円高」にぶれない限り、国内企業の対応は進行しており、為替のブレが業績に影響する度合いが減少していくと想定しています。

当然、170円を超える「円安」120円台への「円高」は、今年の日米両国の経済が大きく変化しない限り想定しがたいと考えています。

■日本市場は先週想定した通り、「SQ」を巡り日経225が続伸しました。

2月のSQは、「37018円」であり。1月のSQ値「36025円」から概ね1000円上昇しました。

反面、TOPIXは、日経225ほどの上昇ではありません。

先週コメントしましたように「SQと節分天井」の状況が出現していると考えます。

「SQ値」は続伸するモノの、市場全体は「節分天井で調整気分が出ている」という観があります。

■日本市場は今週火曜日でほぼ決算開示が一巡します。

先週の主要決算開示会社の株価の動きを見ると、好業績を開示して株価が下がる会社、業績悪を開示して株価が上がる会社がまちまちです。

先週末にかけて決算を開示した会社が多く、「AI」など自動売買システムによる「脊髄反射的」な売りで株価を崩し、あくる日に戻す銘柄もでています。

先週末のCME先物では、日経平均は「37105」円で、終了しており、週初めは、先物株価にサヤ寄せする動きで強含むと想定します。

しかし、決算開示の分析などが進むため、機関投資家などが動きづらく、「節分天井からの調整局面」が想定されます。

好決算と比較して株価を下げた銘柄、減益ながら株価を上げた銘柄など、市場の評価と決算のミスマッチがある銘柄は、その調整が進みやすいと考えています。

気になる銘柄は以下です。

・ユーザーローカル(3984)株価;2176円 ロスカット:2064円

・LIXIL(5938)株価:1956円 ロスカット:1910円

・クラレ(3405)株価:1581円 ロスカット:1515円

いずれも中期的な投資を考えています。