市場の目「GDP第四位転落!」(2024.02.15)

「本日の概況「GDP4位転落!」(2024.02.15)」

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに反発。特段大きな材料がないところで、
債券市場、株式市場ともに自律反発の動きが起きたと考えています。

日本市場はCME先物価格にサヤ寄せして高寄りしました。
日経平均は38000円台に乗せました。
1989年末の38915円を短期的に更新しなければ気が済まないような勢いです。」

■昨日のニューヨーク市場は自律反発だと考えています。
買いあがるには材料が不足していますが、何日か下落してくれると、買いが入り
易くなる、という事だと考えます。

日本市場は、二極分化しています。
指数を形成する主要銘柄である「値がさハイテク株」は、「指数買い」とともに
買い進まれていますが、指数銘柄以外の銘柄には、調整局面入りと想定される
模様眺め状況が見て取れます。

本日開示された昨年のGDPで、日本は、ドル高の影響もあり、ドイツに抜かれ
世界四位となりました。
さて、これはそれほど悲観することなのでしょうか。

■GDPとは「Gross Domestic Product」「国内総生産」です。
日本国内で算出された「付加価値」の総合計です。

対して、GNPという数字もあります。「Gross National Product」「国民総生産」
として計算されます。
GDPとGNPの違いは、GDPが国内での生産活動だけを合計するのに対して、GNPは
海外での支店などの収入や工場生産なども合算します。

さて、日本は、1990年代から長く続いた「円高」の影響で、日本国内でモノを
生産して、輸出をするという事が難しくなりました。
日本企業は、競って海外に工場を作り生産設備を国内から移転しています。
日本の実力は、この海外へ移転した生産設備での生産を合算されない状態でも
GDP世界第三位を維持してきたことが実は脅威だと考えています。

対するドイツは、EU域内へ国内生産を中心にして輸出を行うという体制です。
国内生産が中心ですからGDPが自然増加していくのは当然です。

加えて「円安」です。

今回の日本のGDP4位転落は、ある意味止む無しといえると考えます。

■と言って、日本がダメなわけではありません。

海外生産にバイアスを移しても長く第三位を維持していた日本は、昨年から生産設備
の日本回帰を進めています。
また海外企業の日本工場の誘致も盛んです。
遠からず、日本の「GDP]が急回復すると想定しています。

日本のGDP4位転落を契機として、本日は半導体以外の銘柄が売られている、などと
されていますが、それは、違うと考えています。

「彼岸底」へ向けての調整局面に入っているだけだと想定します。

決算シーズンで、決算の数字とその後の株価の動きに違和感のある銘柄が多くあります。

これらの銘柄の修正が完了することで「彼岸底」は終了すると考えています。