代表中野を嗤え「アメリカの仮想敵国」(2024.03.06)

「アメリカの大統領選挙の話題がメデイアで、多く流れます。その多くは
共和党の「トランプ候補」の話題です。

共和党の大統領候補者は何人も出てきましたが、魅力のある候補者、
共和党として、現職大統領に勝チャンスがありそうな候補は、今のところ
「トランプ候補」しかいないという事だと思います。

「トランプ候補」が得意とするのは、「敵」と「味方」を選別し、善悪
二元論的に相手を攻撃することです。
アメリカの国民性といえるのかもしれません。」

■アメリカは多民族国家です。イギリスからの独立戦争時では、敵国
が明快となり、アメリカ国民は団結しました。

南北戦争時は、アメリカで最初の「格差問題」と「産業構造の転換」が
本質だったのではないかと考えています。
大地主による農業が中心の南部と、工業労働者が中心となる北部。
農場経営のためには「奴隷制度」は必要ですが、工業労働者には、その区別
は必要ありません。

既に当時からアメリカは対立の歴史なのです。

アメリカが一致団結する時は、仮想敵国が明確に存在する、あるいは、
どこかの国を仮想敵国にする時ではないでしょうか。

■第二次大戦後は「ソ連」を最大の「仮想敵国」にしました。事実上、
「ソ連」はアメリカとアメリカの同盟国に攻撃をしましたから、やむを得ない
状況だったと考えています。

ソ連崩壊後、浮上したのが、経済アニマルと化してアメリカの自動車産業
や電器産業を侵食してきた「日本」でした。
1990年代から始まるアメリカの日本たたきは、「超円高」「輸出制限」
等を行い、日本の産業構造をズタズタにしました。

その後、アメリカの「仮想敵」は「テロ組織」になり、そして、台頭著しく
アメリカの世界での地位を脅かす挑戦をし始めた「中国」となりました。

「日本たたき」のために必要だった「中国」はいまや、アメリカの「敵国」
として、アメリカの国民の「求心力」を高める対象となっているのです。

そしてまた、国内経済の不調から政権を安定させるためには「中国」も
「仮想敵国」が必要な国です。
「米中対立」が激化するのは、双方の国のリーダーが必要に駆られて推進
していることが理由です。

■「トランプ候補」の政治手法や演説手法は、「仮想敵」を徹底的に批判
し、非難することに終始しています。
人気により、その危険性は隠されていますが、その危険性を最も理解して
いるのは、共和党自体ではないでしょうか。

人気と財力によりもはや「トランプ党」と化した感がある共和党です。

今回の選挙で負けた場合、共和党は分裂の恐れもあります。

共和党内部では、すでに「トランプ後」を模索していると想定しています。

「もしトラ」「本トラ」の次に来るのは「ダメトラ」と共和党の解体的
改革ではないか、そう考えている次第です。