代表中野を嗤え「好決算」(2024.05.21)

「5月22日にアメリカのエヌヴィデアの決算開示があります。
市場は早くも、「好決算」を予想して、株価目標を引き上げています。

さて、多くの投資家は、「好決算」について勘違いをしています。
「勘違い」の原因は「株の価値は、将来価値である」という事です。」

■前年の決算で、トヨタ(7203)日産(7201)本田技研(7267)は、
揃って良好な決算数字を開示しました。

しかし、同様に三社とも25年3月の業績見通しはあまりよくありません
でした。

つまり、株式市場から見ると、自動車三社の業績はあまりよくない、
という結論になります。

個人投資家の方の多くは、終了した期の方の決算だけを見て、「好決算」
と感じる人が多いようですが、これは間違いです。

先行きの見通しこそが株価に反映される決算内容です。
今期の業績見通しが悪ければ「好決算」とは言わないのです。

株式市場にとって、「過去」はあくまで「参考記録」です。
「未来」にこそ株価の評価がなされるのです。

■株価を理論的に計算する時には、これからの未来に生み出される利益
を合計してその数字を割り引いて計算されます。(DCFと言われます)

つまり、株価は「未来」の成果の現在価値なのです。

そのため、終了した決算の数字は、参考にはなりますが、株価に影響する
度合いは少ないのです。

■日本の会社は保守的で慎重です。

また、「下方修正」をすることに「恥」とする思想があるのかもしれません。
そのため、多くの会社が「期初の見通し」を期が進むに従って「上方修正」
することが多くあります。

前述のトヨタ(7203)は過去20年間で実に16回も上方修正をしています。

「上方修正」をすることでイメージを良くしたと考えているかもしれませんが
実は投資家からすると迷惑な話です。

適切な開示こそが投資の基準となるからです。