代表中野を嗤え「投資資金の膨張」(2024.04.04)

「世界の投資資金は、日々金利とともに増加しています。その資金は、より
有利な運用益を求めて移動していきます。

滞留している資金と日々流動していく資金。まるで、水の動きのようです。」

■日本とアメリカの株式の時価総額は、どのくらいでしょうか。

アメリカの株式市場はニューヨーク市場とナスダック市場です。
二つを合計すると43兆ドル程度になります。
円ドル為替を150円で計算すると、6450兆円です。

対する日本市場はプライム、スタンンダード、グロース合計で990兆円です。
日米の株式市場の規模感は、6.5:1という比率です。

さて、株式と同様に世界の投資資金が投入されるのは、債券市場です。
世界の債券市場の規模は、概ね55兆ドル規模です。

それに滞留資金として資金が流れるMMFの規模が1兆1千億ドルという規模です。

株式と債券が、投資資金が投資対象として取り扱う代表的な商品です。

しかし、それ以外にも投資資金はまるで「水が隅々まで浸潤していく」ように
利益を求めて移動していきます。

株式市場が上値が重くなり、動きが鈍くなると投資効率が落ちます。
債券市場も方向性が見えないと、資金を投下しておくには効率が悪いと考える
投資資金もあります。

それらの資金はどこへ向かうのか。

■石油先物、金先物、銅先物などの商品先物へ向かいます。
しかし、これ等の投資は、長期間の保有が出来ません。瞬発的な利ザヤは
狙えますが商品先物の性質上、短期での反対売買が必要なのです。

かくして、これ等の投資資金が、最大の投資市場であるアメリカ市場が、株式
債券ともに方向性が見えなくなると、より有利な運用先を求めてさまよう事に
なります。

商品先物は瞬間的です。

やはり、アメリカ以外の国に資金は向かいます。

インドを代表とする新興国市場(かっては中国がその役割を担っていました)
等に資金が向かいます。
日本市場へも割安と見られて資金が流入したと想定しています。

■かくして、世界の隅々に目を光らせている投資資金ですが、やはり主戦場
であるアメリカ市場が方向性が出てくれば、一斉に資金がアメリカ市場へ回帰します。

そうなると、インドなどの新興市場はひとたまりもないかもしれません。

日本は、アメリカと同様の成長と利益が確保できると見られれば、資金は滞留
してくれます。

「げに恐ろしきは「投機資金」の欲望」です。

市場は経済の変化で動くものですが、資金の増大により、市場が経済を振り回す
時代に変化していると考えています。