代表中野を嗤え「PER・益回り・債券金利」(2024.05.17)

「株式市場と債券市場は深い関係があります。「元利」が確保されて
いない株式に対して「元利」が保証されている債券とは、投資の
効率性と合理性において対立構図にあります。

つまり、安定して高金利が保証されている金利水準と、そうではない
株式では、株式の方が不利になります。

株式の不利を補うものは、高い成長率しかないのです。」

■株式の「利回り」を評価する指標は「益回り」と言います。
一株当たり利益の何倍買われているかの指標である「PER」の逆数です。

いくらの資金(株価)を供出して、どの程度の利益を期待できるか
という指標です。

その「益回り」は、「保証」されたものではありませんから、「保証」
されている債券金利と比較すると、「リスクプレミアム」を勘案して
計算されることが通常です。

つまり、債券金利(通常は10年国債)が4%であるなら「益回り」は
5%以上となる、という具合です。
その利ザヤは、経済の強さや将来の期待の強さを反映します。
そのため利ザヤの幅は変化します。

■世界各国の株式市場のPERを比較してみます。

NYダウ:27.9倍 益回り:3.58%
ナスダック:29.9倍 益回り:3.34%
日経平均:16.5倍 益回り:6.06%
ドイツDAX:18.8倍 益回り:5.31%
イギリスFT:16.3倍 益回り:6.13%

という具合です。

さてそれぞれの国の債券金利はどうでしょうか。

アメリカ:4.369% 益回りとの差:ダウ平均→マイナス0.789%
ナスダック→マイナス1.029%

日本:0.925% 益回りとの差:+5.135%

ドイツ:2.4% 益回りとの差:→+2.91%
イギリス:4.63% 駅案割との差:→+1.5%

■アメリカの株式市場における「益回り」と「債券金利」の逆ザヤ
が極端に大きいことがわかります。

また、欧州株に比較して、日本市場の金利差順ザヤの大きさも際立っています。

日本の投資家の方が、デフレ経済があまりに長く続きすぎたため、企業の
成長に対する信頼感が小さいという事だと考えています。

日本株の世界の中での「割安感」は、PER、益回り、債券金利を比較すると
簡単に理解できる、という事です。