市場の目「トランプ祭りの残り火」(2024.11.15)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに下落。パウエル議長の講演で、
「金利引き下げ」を急ぐ必要がない程経済が好調である、ことがコメントされ、
改めて、金利が注目されたものだと考えます。

日本市場は、先行して下げていた分の買い戻しによる株価上昇です。」

■アメリカの株式市場と債券市場は、「株式の益回り」「債券金利」の差が
拡大しています。
債券金利が上昇し、株式の益回りは株価の上昇により、下落していますので、
その差が拡大する一途です。

この差は、いわば、企業が成長する速度が大きいという期待感によるものです。
「のれん代」のようなものだと考えます。

M&Aなどで「のれん代」はある程度までは許容されますが、限度を超えると判断
された場合、案件そのものが破棄されることも良くあります。

アメリカの株式市場と債券市場の関係は、今そんな状況に入っていると
想定しています。

この状態を打破するには、具体的に企業業績がいいか、あるいは、業績向上を
促進させるような政策が具体的に出てくることが待たれます。

アメリカがクリスマス休暇に入る12月15日までに、何らかの結論が出ている事
を祈りたいものです。

■日本市場では今週売りすぎた半導体関連銘柄が買い戻されました。
それによる日経平均株価の上昇だと想定しています。

そのため、買戻し注文が一巡した後は、巡航速度の動きです。

まだ日本では新政府による具体的な政策が見えていません。11月28日の国会再召集
から予算審議を経てようやく方向性が見えてきます。

来年夏の参議院選挙に向けて、各党ともに、「バラマキ」的な有権者に媚びを売る
政策が出てくると考えています。

場合によっては、衆議院の再解散という事もありえます。
「衆参同時選挙」です。

いずれにしても、そんな時期には、国民に負担を強いるような政策は出てきません。
従い、株式相場が下落するような状況ではないと考えています。