「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに大幅安。
「減税法案」を巡る財政収支への懸念、それに伴う債券金利上昇、
ドル安、などがアメリカのトリプル安を再燃させていると思います。
日米財務相会談で為替に言及がありませんでしたが、「円高」に
向かっています。
「円」に理由があるのではなく、「ドル」売りです。」
■トランプ大統領の「レームダック化」が想定以上に進んでいると
想定しています。
それは、任期の期間などの外部要因ではなく、トランプ大統領自ら
が招いた内部要因が背景です。
全てを自分が決めるという過度な権力集中、それに伴う頻繁な修正、
イスラエルガザ問題や、ウクライナ戦争に対する影響力の低さ、
国内の大学や自身の反対勢力に対する迫害、関税による悪影響の
責任転嫁、場当たり的な発言など、自らが権威を失墜させているとしか
思えない行動が相次いでいます。
絶大な権力を掌握したと考えているのは、もはや、トランプ大統領
ただ一人なのではないでしょうか。
■アメリカの政治のバランス感覚はこれから発揮されてくると期待
しています。
アメリカは大統領が独裁する国ではありません。
共和党の議員をはじめ、議会や民衆の反乱が確実に進むと考えています。
トランプ政権では、5月26日のメモリアルデイまでに減税法案を成立
させる心づもりのようですが、それには、大きな妥協が必要です。
いずれも、減税枠にさらに減税を重ねるような富裕層優遇の措置です。
「関税」と「減税」はトランプ政権の公約ですが、「関税」公約で
世界を混乱に陥れ、「減税」公約で国内の財政をさらに悪化させる、
こんな政権が長続きするとは思えません。
議会共和党による「トランプ大統領のレームダック化」が進行する
のではないか、そう考えています。