市場の目「想定の範囲内の着地」(2024.03.19)

「昨日のニューヨーク市場は、三指数とも上伸しました。しかし、FOMCを前にして
チャートの形は、高値を付けてからの陰線着地であり、三指数とも今一つの
地合いです。日本市場は、昨日から事前に想定されていた「日銀政策の変更」の開示があり、
堅調な動きでした。」

■「エヌヴィデア」が19日から22日までイベントを開催します。
AIの先端技術者を集めた会議です。
昨日は、それに先立ち、同社のファンCEOが、新製品を発表しました。
他社比30倍の能力のある最新チップの発売と、AWSへの搭載の開示でした。
この開示により、「エヌヴィデア」株は上昇と反落をしていますが、停滞している
ハイテク企業にとっては、新しい「材料」を提供したことになりました。

「生成AI」の活用方法、活用場面、などがより明確になると考えています。
それにより、生成AIの市場規模などがより明確になってきます。

自動車の「自動運転」などは「AI」が学習を繰り返すことにより、より安全性が
高まることも想定されます。
あまり創造性が必要ない書類などの作成などには、初期的なAIで十分だと想像し
ますが、より高度な、経験や練達が必要なモノには有効に活用されるのではない
でしょうか。

職人技が必要だった肌理の細かな対応なども最先端AIを組み込まれたロボット
等で代替が出来るかもしれません。

アメリカは、「金利引き下げ」と「強い景気」のバランスが取れずにいます。
そのため、株式市場と債券市場の相場観の乖離が進んでいます。

しかし、「エヌヴィデア」など先端AI技術がもたらす新しい世界は、アメリカ
主導の未来をさらに切り開く期待感が持てます。

株式市場の相場観が優位になる展開が出るとしたら、やはり、「生成AI」の
成長期待以外にないのかもしれません。

FRBは当面「金利引き下げ」に踏み切れないと考えるからです。

■日本市場は、休日前の「イベント通過」です。
とりあえず「イベント」が想定通りに推移したことにより、昨日の急騰場面
で、売りに回った筋の「買戻し」が入ったと想定されます。

日本市場は、明日休場です。
ニューヨーク市場のFOMC後の状況を見たうえでの週末になります。
日本市場の上昇をけん引してきた「値がさハイテク」株の上値を狙う動きは
まだ再開しないと考えています。

「エヌヴィデア」に比較して、極めて高いPERを考えると、決算開示、来期見通し
等を確認しなければ、買い進めるのは厳しいと考えるからです。

日経平均は、4万円前後に水準を上げてもみ合いを続けるのではないでしょうか。

反面、出遅れていた「値がさハイテク」株以外の銘柄に対する「配当取り」などの
動きが想定されます。

「TOPIX」が「日経225」より有利な展開になると考えています。