市場の目「押し目買い中毒」(2024.04.17)

「昨日のニューヨーク市場は三指数まちまちの動き。とはいえ、金利高止まりの
影響が明らかに株式市場には出ています。
高いPERを維持するだけの業績が出てこなければ、ナスダックの下落は、まだ
止まりません。

日本市場では、「押し目狙い」を自称する個人投資家が、自律反発を狙って
買い物色が盛んです。しかし冷静に考えれば、現状の日本株で上値を買い進める
根拠が希薄なことがわかるはずです。

無自覚な「押し目買い」には怖さがないのかもしれません。」

■連日コメントしていますが、アメリカ経済の現状は様々な歪みが出てきています。
「堅調な経済」と見える反面、その背景は脆弱であったり、「インフレ」を懸念する
一方で個人の延滞率は上昇し、個人向けローン金利は跳ね上がっています。

まさしく、トランプ支持層でもある「白人貧困層」は、金利引き上げとローン支払い
の圧迫で生活が苦しくなっているはずです。

個人消費が伸びているとはいえ、アマゾン以外の小売り媒体は、前年比マイナスが
続いています。

「ノーランデイング」「ソフトランデイング」ではなく、極めて厳しい「ランデイング」
をしなければならない可能性もあります。

アメリカの株式市場は、ようやく、その状況を反映し始めたようです。

月初の配当金の支払い税金の払い戻しで、潤っていた個人投資家が支えていたナスダック
市場にも調整の気配が見えています。

ゲームチャンジャ―となりうるのは、ハイテク各社の決算です。
来週から主力の開示が始まります。

そのタイミングまで手出し無用かもしれません。

■日本市場もアメリカ同様危うい状きょぷです。
日本市場もアメリカ同様に個人投資家が支えている観があります。
残念ながらこれらの個人投資家は、短期投資、超短期投資が基本です。
株価を維持することができないと考えています。

動いている銘柄にイナゴのように群がりますが、そういう状態が出来るときは
天井圏の典型だという事を考えたほうがいいと思います。

「水原一平」現象とでもいえるような、あくなき「投機」への渇望が個人投資家
を動かしているのではないかと考えています。

しかし、そういう渇望は往々にして満たされずに終わるのが相場の歴史でもあります。