市場の目「決算とサプライズ」(2024.02.06)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに反落。市場の「金利引き下げ」期待が、繰り返し
FRB関係者から冷やされ、経済指標も強い数字が出るにつれ、「楽観」が息切れしてきた
観があります。

勢いを示したのは「エヌヴィデア」の好調な決算でした。ひとり気を吐いています。

日本市場では、主要銘柄の決算が続きます。
「トヨタ(7203)」や「三菱重工(7011)」の決算数字は市場の想定を大きく上回り
ました。

また、「KDDI(9433)」による「ローソン(2651)」に対するTOBは「サプライズ」でした。」

■アメリカでは好調な経済の数字が相次いで開示されています。
パウエルFRB議長は市場が想定する今年5回以上の利下げを否定的にコメントしています。

経済指標が強い状況下では、あえて金利を引き下げる「大義名分」が見つからないのが
事実です。

アメリカ市場は、「楽観」で、上値を追いますが、何度も経済指標で押し下げられており、
いささか、上値追いの息切れが感じられます。
金利引き下げに対する「楽観」ではなく、企業業績の順調さの方にバイアスが移れば、再び
上値を追う事が出来ると考えますが、・・

■日本市場は、オオトリともいえる「トヨタ(7203)」が好調な決算を開示しました。
第三四半期の増収増益はもとより通期想定も引き上げています。

通期想定を慎重に据え置く会社が多い中で、堂々と通期想定を引き上げる姿勢には、さすが
日本を代表する会社であると風格さえ感じさせます。
日本企業では最初の時価総額50兆円企業となりました。

三菱重工(7011)」も好調な数字を開示し、通期想定も上方修正しました。
また、期待通り、株式の大幅分割を開示しました。

反面、減益、減収、減配などを開示した会社には、容赦ない売りが出ています。
決算を巡る攻防戦は今週がピークとなりますが、トヨタや三菱重工のように、通期想定を
第三四半期までの結果に合わせて修正した企業ばかりではありません。
慎重さで、据え置きとした会社が多く存在します。

それらの会社に対する判断が来週以降に行われると考えています。

■日本経済新聞に、KDDIがローソンをTOBするという記事が出ました。
朝方からKDDiに対しては売りが先行しましたが、午後の「正式決定」を受けてKDDI株は
大きく売り込まれました。

通信会社であるKDDIがコンビニ大手を子会社にするという事の意味合いを多くの投資家
は理解できない、という事です。

ローソン一株当たり10360円でのTOBは、KDDIが保有するキャッシュと負債を活用しておこ
なわれると想定しますが、何より、唐突さが株価を下げた理由です。

三菱商事と50%同士で保有する形となりますが、コンビニという業態を総合商社とともに
通信会社がいかに活用するのか、注目です。

しかし、本日は、トヨタや三菱重工、と並んでKDDIの売買も膨らませました。
売買代金は5兆円を超える大商いとなっています。

■トヨタなどの好決算を見ると、「売り方」は、相場の考え方に対して再度考慮が必要
かもしれません。
「買い方」は週末のSQを前にして強気を継続できるかどうかこれも考慮が必要なところ
です。

そのために本日の引け値は、1月のSQ値である36025円を上回る株価で終了していますが、やはり
このSQ値周辺での動きになっています。

明日以降は大型の決算が減少します。
上値を追えるかどうかは、難しい局面だと考えています。