市場の目「蘇るレーザーテック(6920)」(2024.05.01)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに下落。FOMCの結論待ちであり、
またシカゴ購買部PMIが開示され、予想を下回る数字になったことが
景気後退を想起させました。

粘着性のインフレ、そして、一部の地域での景気後退と、アメリカは
「スタグフレーション」の様相も呈してきた可能性があります。

日本市場は、アメリカに連動しながら、好決算のレーザーテック(6920)
に支えられた感があります。」

■アメリカはFOMCの結論が出るまでなかなか動きづらい状況です。

インフレの粘着性が指摘される一方で、景気後退の兆しも見えています。
アメリカでは、金利引き上げでインフレ抑制を目指していますが、その一方で
政府資金や財政出動などで、国債を発行するなど資金調達が必要です。

いわゆる「クラウデイング・アウト」現象が起き始めている可能性が
有ります。
政府部門のドル需要が先行しますので民間部門へのドル供給がどうしても
不足してしまいます。
円ばかりではなく各国通貨に対しての「ドル高」は、深刻な「ドル不足」
がその背景だと考えています。

「ドル高」はアメリカの「インフレ抑制」には有効です。しかし、アメリカの
経済にとっては、とりわけ、輸出産業にとっては、大きなマイナスです。

大統領選挙の渦中で、アメリカの有権者は、輸出産業の業績拡大とインフレと
どちらを優先的に解決してほしいのか、ということに注目すべきです。

アメリカ国民は「インフレ」退治の方が優先すべきだと考えているようです。
賃上げより物価上昇の速度の方が早い時は、日本であれアメリカであれ、
国民の不満は高まるという事です。

■日本のハイテク半導体銘柄の中で、ディスコ(6146)に続いて、レーザー
テック(6920)が好決算を開示しました。
同社は第三四半期の決算開示でしたが、前期比2倍以上の利益水準は、ようやく
高いPERを説明できる状況となりました。

ディスコ(6146)の決算は悪いものではありませんでしたが、まだ十分とは
言えませんでした。
やはり、前期比倍以上の利益成長があり、また受注残高が積みあがっている
というガイダンスも、ハイテク半導体株の高PERを説明するに足るものです。

本日は同社と、ソシオネクスト(6526)で、市場出来高を支えた感があります。
しかし、ソシオネクストの(6526)の数字は、不十分です。

連休明けに出てくる東京エレクトロン(8035)などの主力半導体関連株
がどのような数字を出し、また、今期以降のガイダンスをどのように出してくる
のかが、最大の注目点です。

■日本市場では、「増配」「株式分割」「自社株買い」がセットで開示された
会社に注目が集まっています。

「株式分割」「自社株買い」で、業績の下振れをごまかしている会社もあります。

しかし、日本企業は、内部留保が分厚く積みあがっています。
株主に対して友好的な政策はまだまだ出していくことができます。

日本株全体の水準は、連休後の決算が終了する頃から次第に上昇していくと
考えています。