市場の目「買うから上がる上がるから買う」(2024.03.22)

「昨日のニューヨーク市場は三指数ともに上昇。史上最高値を更新しています。
年内の「金利引き下げ」期待と「生成AI」による新しい需要の創出期待が、
市場を「楽観的」にしています。

日本市場は、個人投資家中心の相場です。」

■ニューヨーク市場では、ハイテク企業の決算見通しが開示されています。
好調な数字は、株価の上昇を合理的に支えています。

「金利引き下げ」時期が後ろ倒しになる可能性などは、考慮にさえ入れられて
いないような感があります。

4月に始まる決算開示が注目です。
好調なハイテク、微妙な小売りや消費関連、住宅投資などの状況に注目です。
アメリカの景気が本格的に好調なのか、あるいは、停滞の兆しが確認される
のか、是からが正念場だと考えています。

■日本市場は、史上最高値を更新しましたが、「陰線」で終了しました。

昨日コメントしたように、ドル建ての日経平均のチャートは、高値を目指して、
上昇を続けているところです。
本日は、ドル建てでは、小幅なマイナスです。

来週金曜日はアメリカ市場は休場です。

また、来週は、三月の最終週。権利関係に関する期日があります。

三月第二週は、海外投資家は売り越しで終了しています。
第一四半期での益出しも無事終了したのかもしれません。
三月は日本の決算期でもあります。
第二週までの売り越し状況を見ると、投資信託や年金の売りも順調に消化されて
いるようです。

それらの売りを吸収したのは、個人投資家です。
第一週に続き4900億円の買い越です。大半は、信用取引による買い越です。

日本の個人投資家は、日本市場が上昇を継続する過程で、売り越しが続いていました。
「押し目買い」「戻り売り」という基本的なスタンスの中で、「押し目」が少なく
「押し目買い」のチャンスが少なく、「戻り売り」で、獲得した利益を「買いに」
振り向けているのかもしれません。

信用取引というところが重要です。

日本市場の水準を押し上げている海外投資家は、短期投資もありますが、中長期の
投資家も多く存在します。
それらの買いは相場水準を下支えしますが、個人の信用取引では、下支えには
なりえないのではないか、そう懸念しています。

■何はともあれ、相場はいきつくところまで行くのが通例です。

日本経済の回復に着目している海外投資家ですが、それは、4月から5月の決算数字を
確認してからの事ではないでしょうか。

其のころには個人投資家の「売り」が、海外投資家に「買い場」を提供しているのかも
知れません。