市場の目「2月SQ値」(2024.02.05)

「本日の日本市場は4兆8000億円という大商いでした。先週末のCME
日経平均先物株価にサヤ寄せした動きでした。

メタやアマゾンの好決算、好調な雇用統計に沸くアメリカと比較
して、日本市場では特段好材料が出ていません。

その中で商いを集めて指数が上昇するとしたら、その要因は、今週
末の2月のSQ値算出に伴う仕掛け以外に考えられません。」

■「バブル」とは、実際の価値観と現実の価格との間に大きな格差が
出来る事を言います。

株式でいえば、企業業績の伸び率や実績、それを評価するPERやPBRが
それまで妥当とされていた水準から大きく上方に乖離してくるときが、
「バブル」の始まりだと考えています。

株価は需給関係で決まります。
株式の需要とは「投資資金」の事であり、「供給」は、発行している
「株式」に限定されます。
そのため、株式市場に「投資資金」が急速に増加すると、需要超過となり、
株価は上昇します。
「投資資金」が継続的に流入してくると想定すれば、株価がはその水準を
次第に上げていくのは否めないことです。

しかし、「投資資金」の増加以上に、「仮需」の投資資金が流入して
市場での「需要」を加速させると「バブル」的な動きとなります。

本日の動きは、短期投機筋による、2月SQ値を巡る攻防戦で、売り方を
締め上げるために投資資金が急増しているような感があります。

■「節分天井」という格言があります。
「節分」は、先週通過しましたが、昨年から続く、「SQ値」算出を巡る
短期投機筋の動きは、やや「やりすぎ」感が出てきてはいないかと、
考えています。

日本企業は、順調に景気を回復させています。その回復に応じて、株価は
順調に評価を上げています。

しかし、1月後半以降は、決算で開示されてくる各企業の業績数字、想定
される通期の数字以上に期待感が先行した株価になっている観があります。

NISAによる個人投資家の資金流入も市場の変化要素だと考えます。

■とはいえ、合理性を書いた株価形成は、やがて、修正されます。

わずか2%足らずの株主が主張する「非常識な自社株買い提案」で、株価を
押し上げた三井不動産(8801)などは、市場の「暴走」気味の動きでは
ないでしょうか。

日本市場は、やや「調子に乗りすぎ」の印象が出てきました。

新規投資は慎重に、保有銘柄は手仕舞いの準備を、と考えています。