市場の目「Deep Seekショック」(2025.01.27)

「中国のスタートアップ企業である「Deep Seek]が発表したAI(人工知能)
モデルが、現状の最先端モデルのビジネスモデルを覆すのではないか。

その懸念で、日本市場は揺らいでいます。」

■アメリカの地政学的政策の焦点は「中国の抑え込み」です。
その中でも「先端半導体」は政策の中心課題です。
軍事はもちろんの事、産業や経済、金融にも大きな影響を持つからです。

そのためにアメリカは多大のコストをかけてきました。
つい最近もソフトバンクをはじめ数社と共同で、78兆円に上る巨額投資
を開示したばかりです。
中国に対する「先端半導体」に関する輸出を制限していますし、それは
今後も厳格化されると考えます。

そのさなかの中国のスタートアップ企業による「安価」な「AI」の
開発成功の報道です。

事実かどうか、機能はどうかまだまだ疑問が多くあります。

おりしも、中国は「春節」に入ります。

まさしく、より詳細な内容が知りたいものです。

■「Deep Seek」ショックは世界で最初に開く市場である日本市場の足を
引っ張りました。

冷静に考えると「Deep Seek」が日本の半導体市場や現在の「AI」の市場に
大きな影響を与えるとは想定できないと考えます。

とはいえ、何かあると過剰に反応するのが株式市場です。

本日の半導体銘柄の下げで、再び日本市場は「40000円」の壁を乗り越え
られませんでした。
株式市場でいう「節」を形成し、その「節」の大きさが今後の市場を抑え込む
可能性さえあります。

とはいえ、楽観的に考えていいと思います。

「AI」の一部が出来たところで、その機能を発揮するためには多くの半導体
が必要ですし、「AI」チップだけではどんな機能も十分には動かないからです。

日本が得意の半導体製造に関する各設備や材料が必要であり、また増産する必要
がある事さえ確実です。

市場は常に過剰反応をします。

過剰反応にいちいち過剰反応をしていては、相場に向かうことなどできは
しないと考えているところです。