「日本時間で明日の夜、アメリカで今年最初のFOMCが開催されます。
アメリカ市場では、「インフレ鎮静化」「順調な経済」「金利引き下げ」という
「楽観主義」で、市場が動いています。
今回のFOMCは方向性を確認する大事な会合です。」
■FRBは「インフレ」を抑え込むために、複数回の金利引き上げと市中から資金を
吸収する「QT」政策を行いました。
金利の引き上げは、イメージ的にもインフレを抑え込むには、有効でした。
「QT」は地味ですが、市中から資金を吸収していきますので、金利引き上げより
直接的に効き目が大きい政策です。
「QE」で、市中から債券を買い入れ市中に資金を流入させ、「QT」で、その資金を
回収する手法は、伝統的な金融政策です。
財務省が政府資金の調達のために証券を起債しますが、その起債に影響が大きく
出ないように「QT」は実行せざるを得ず、中々に難しい手法でもあります。
■アメリカの金利が低下に向かい、市中への資金供給が再び増加し始めるかどうか
は、経済の活性化に大きな影響があります。
金利は、目に見えて開示されますのでイメージがわきやすいのですが、「QT」は
直接的には、市場関係者の目につきません。
それだけに、FOMCで、各参加者が、金利水準と同様、「QT」の遂行をどう考えて
いるのかを確認することが今後の方向性を確認するためには必要となるのです。
FOMC議事録の公開が待たれるところではあります。
■アメリカの10年国債金利は、下がりそうで4%台を維持しています。
政策金利が下がるとともに「QT」が転換しなければ債券金利は本格的に下落して
行くわけにはいきません。
債券金利が大きく変化しなければ、為替の変化も限定的になります。
今回のFOMCは今年の方向性を決める重要な会合になると考えています。