代表中野を嗤え「中国のPKO](2024.01.23)

「中国が低迷する株式市場をテコ入れするために41兆円を投じると報じられ
ています。

共産主義と資本主義の「良いとこどり」を企図している中国政府としては
株価の下落は、国民の不安と不満を醸成するとして、対応策を取らざるを
得ないと考えています。

しかし、おそらく効果は少ないと考えます。」

■数年前日本でも「アベノミクス」の初めの頃、株価の上昇が経済回復の
象徴として政策的に重視されていました。

「P(プライス)」「K(キーピング)」「O(オペレーション)」と
言われたこの政策は、日本銀行による日経平均ETFの買い付けなどで
実行されました。

日本国内では、市場のバランスを崩す、市場が崩壊するなどの批判が多く
また反面、株価が下落しているときには、日銀による市場買い付けを期待する
など、相矛盾する反応がありました。

結果として、日本株は順調に上昇波動に乗りました。
これは、「PKO]によって導かれたというよりも、日本経済の回復が
徐々にではありますが、進んだことが理由です。

世界の投資資金は、利益に誘導されて、集まってくるからです。
日本経済が回復して、利益が上がると判断する世界の投資資金が、次々と
流入しているからです。

■批判の多かった日本銀行のETF買いですが、現状は停止していますが、
保有しているETFの含み益は膨大です。
また、保有しているETFの配当金は年間1兆円を超え、日銀が保有している
国債の利払い収入を超えています。

株式は経済の評価でもあります。
しかし、何より、重要なことは資金移動の自由が担保されていることです。

中国共産党は、この経済の最重要のポイントを外しています。

経済活動が発展するためには、資金の移動の自由、個人の移動の自由
考え方の自由などが必須です。

中国共産党と相いれない思想は突然逮捕拘束され、資産が没収される、
そういう国に、海外から資金は入れません。
その法的基準もあいまいです。

まるで、狂暴な肉食獣に近付くようなものです。
どこまでが大丈夫でどこからが危険なのか不明なのです。

■残念ながら中国政府の41兆円という株式市場に対するテコ入れ資金は、
中国株から逃げ出す絶好の資金になると想定しています。

PKO政策を開示したすぐは、追随する政府系金融機関もあると考えますが
遠からず、売り向かいの的になると考えています。

歴史的な中国の転換が待ちどおしいところです。