「年初から日本株は堅調な動きが続いています。海外投資家が粛々と買いあがる
なかで、日本の個人投資家は売りを浴びせています。
海外と国内で相場観が両極端だという事です。
日本の個人投資家は長いデフレ下で「押し目買い吹き値ウリ」を繰り返して
成功してきました。
現在直面している相場の転換期では、「押し目」が無いかもしれません。」
■日本株を「強気」で買う理由は以下です。
①昨年から日本はデフレマインドからインフレマインドへの大転換が起きている
②この流れを政治、官僚、民間上げて推進している。
③米中対立の激化により、中国から日本への製造拠点の回帰が始まっており、
ハイテク製造業の拠点としての日本の世界での立ち位置が変化している。
④東京証券取引所が上場会社に対して株価を上げる方策を指示している。
また、海外投資家を意識して英文開示も義務付けています。
上記のような定性的な理由がまず挙げられます。
■株価の評価は、一株当たりの利益×PER倍率で、決まります。
つまり、この二要素のいずれかが変化すれば株価は変化するというわけです。
一株当たりの利益は、今期から上方修正される会社が増えそうです。
企業経営者の新春アンケートで強気を想定する経営者が過半数を超えているという
事も企業の収益が改善するという証ではないでしょうか。
つまり、一株当たりの利益は、増加する、という事です。
PERは、逆数である「益回り」との関連です。
デフレ経済下では、付加価値が多く付与できませんからどうしても「益回り」は
高く想定されます。つまり、PERは低めになります。
デフレからインフレに転換すれば、「益回り」は低めに変更できます。
PERは高めになります。
現在日本市場の平均PERは15.9倍程度アメリカは20倍を超えています。
この日米の差は、インフレかデフレかの違いが反映していると考えています。
つまり、PERも上昇してくる可能性が高いという事です。
株価を構成する二つの要素が上がる可能性が高いわけですから、株価は
上がらないわけがないのです。
■対して、「弱気論」は、情緒的な議論が多いようです。
株価が上昇し続けているから、もう止まるのではなかろうか。
株価が高いから、下落するのではなかろうか、というものです。
「安値覚え」というこの心理状態はわからなくはありませんが、残念ながら
この心理で相場が動くことは有りません。
株式市場は経済合理性で動きます。
情緒が入り込む隙間はあまりないのです。