「年末来開示されるアメリカの経済指標は、ある意味驚異的な好調の持続
です。
インフレがFRBによる金融引き締めで収束に向かう中、個人消費などの好調「
さで、好景気を維持しています。
株価は経済の好調さを反映して堅調です。
さて、いつまで好調は続くのでしょうか。」
■アメリカの個人消費の好調さには、さまざまな意見があります。
コロナ禍でばらまかれた財政支出の資金がいまだに使われておらず、貯蓄と
して蓄積されており、賃金の上昇とともに消費の好調が維持されている。
クレジットカードの延滞が増加している。
学生ローンの支払い延期が解消され、消費者の懐を直撃し始めている。
という相反するコメントも出ています。
アメリカに限らず、日本でも中国でも、景気の下支えをしているのは住宅
投資です。
住宅が順調に販売されていれば、住宅を巡る関連消費は拡大し、景気を
下支えします。
中国で、住宅政策が破綻する前は、さまざまな分野で消費が活発であり、
好景気を謳歌していたことを想像してください。
中国では住宅を巡る政策が、破綻しており、資金を負債で用意した人たち
に住宅が建設さえされていない、という悲惨な状況を解決する術さえまだ
見えていないようです。
これでは景気は回復しようがありません。
■アメリカの住宅需要は旺盛だと言われるづけてきました。
インフレ抑制のために金利を急速に引き上げていますが、その影響が、まだ
出ていないのかもしれません。
住宅は、アメリカであれ、日本であれ、長期のローンを組んで買い付けることが
多いと想定しています。
つまり、金利尾が上昇してきて、借家生活を続けるよりも自分の家を保有したほうが
有利な状況が続いているうちは、住宅への需要は尽きないという事だと思います。
さて、アメリカでは、インフレの中心的要素であった、「家賃」の上昇が
止まっています。
つまり、借家のコストは安定的になりました。
その一方で金利は上昇を続けており、高金利を維持しています。
インフレがいつまでも継続すると考えれば、少々の金利負担でも自身の家を
購入する方向に向かいますが、一方のコスト上昇が止まった場合、金利負担が
改めて、明快になります。
■アメリカの30年金利(住宅ローンなどで一番使われる金利です)は、5年物国債の
金利と連動しています。
30年ローンは住宅という担保付きですが、5年国債は無担保です。
その違いはあるにはせよ、長年、5年国債金利と30年ローンの金利は連動して
きました。
現在、5年金利は、下げ止まっており、なかんずくやや上昇気味です。
これにつれて、30年金利も上昇しています。
住宅を購入しようとする個人には、大きく響くところです。
アメリカのインフレは終息し始めていますが、FRBが理想とする2.5%の水準には
数年では到達しないと想定されています。
アメリカの住宅受注の停滞から減少が、景気の本格的な後退を象徴します。
その時期にFRBも金利引き下げを行えれば、アメリカの景気はソフトランデイング
出来ると考えています。
その時期はいつか。
大統領選挙が微妙に影響すると考えています。