「9月のFOMC終了後のアメリカの株高は、経済の堅調さに期待した
モノだと考えます。
現状は金融機関の決算から推測することができます。」
■アメリカでは第三四半期の決算が始まっています。
各銀行、金融機関の開示もなされています。
傾向は以下です。
①投資銀行部門は、企業向けの資金需要が旺盛で高収益である。
②投資部門は株式市場の好調さにより順調に収益を積み上げている。
③クレジットカードなどの部門では支払いのデフォルト増加などで
損失が拡大している
①②の稼ぎが大きな金融機関は増益となり、個人部門が中心の
金融機関は減益と明確に分かれています。
■金融機関の動向は経済の鏡です。
この決算状況から判断すると、企業部門、個人富裕層部門は好調
一般個人部門は不調よ言う事にもなります。
クレジットカードの支払いが滞る、あるいは、破綻する、という事態は
個人にとって極めて経済環境が悪化していることを示しています。
株式市場の上昇などで、個人富裕層や企業は潤っていますが、より
幅広い個人層はそうではなく、「格差」が拡大している、という事も
見て取れます。
つまり、株式市場が楽観しているほどアメリカ経済は「曇りなき」状態
ではないという事です。
少しづつ「ほつれ」が見え始めているのかもしれません。
■大統領選挙が終了するまでは、そんな不満は出にくいと考えます。
両陣営が選挙に備えて「今後の政策」などで抑え込むからです。
つまり選挙終了後にはアメリカが内在している課題が一気に噴出して
来る可能性があるという事です。
中長期の投資家が鳴りを潜めて静かに様子を見ている所以です。
賢い投資家はどうすべきか?
よく考えてください。