「東証グロース市場の「東証グロース250指数」の下落が止まりません。
ニューヨーク市場でナスダック市場などの堅調やアメリカ金利の下落
等があるとプラスに転じることもありますが、年初からの下落傾向は
プライム市場の上昇傾向と対照的です。」
■「グロース市場」と言いながらその市場に上場している銘柄が
「グロース」銘柄かどうか、という事が実は大きな問題なのだと
考えています。
「グロース銘柄」の定義とは「高い成長」が続き、「PER」「PBR」など
の指標が成長に追いつかず割高になっている銘柄のことを言います。
「グロース市場」の平均PERやPBRは、プライム市場、スタンダード市場
と比較して際立って高い水準です。
PBRはプライム市場が1.39倍、スタンダード市場が1.01倍なのに比較して
3.07倍です。
PERはプライム市場が16.54倍 スタンダード市場が14.34倍に比較して
49.17倍です。(前期基準ですと87.62倍です)
■益回りで考えるとグロース市場の「益回り」の低さはさらに鮮明です。
今期想定で「2.03%」前期基準で「1.14%」という数字は、アメリカの
ナスダック市場を大きく下回る水準です。
しかし、本当に高い成長をしている銘柄であれば、この「割高」さも
合理的に説明できなくはありません。
残念ながら、現状のグロース市場の上場銘柄には、そんな「成長」を
継続している銘柄は見当たりません。
むしろプライム市場の上場大企業の方に、成長を継続している会社が
多くみられます。
つまり、現在の「東証グロース市場」は、定量の数値が低い会社群が
プライム市場やスタンダード市場に上場できないため、やむなく
「上場」という箔をつけるための市場に成り下がっている、という観
が強くあります。
■それだけに「グロース250指数」が下落を続けるのも無理はありません。
極めて経済合理性に従った動きだと考えています。
この状況を覆すにはどうすればいいのか・・・
本当に「グロース」する銘柄が出現する以外に、「グロース市場」の
印象を変える方法はありません。
バイオベンチャー株のいくつかがそんなスターになる以外方法がないのか
そう考えています。