「昨日「薬事審議会」で、同社の「外傷性脳損傷治療薬」の
承認に対する可否が審議され、厚労省の認可を受け、発売条件などが
決定され、上市されることが決まりました。
しかし株価は「ストップ安」です。」
■「バイオベンチャー」株式投資は、我慢が必要です。
そもそも医薬品の開発には時間が必要です。化合物を発見して、安全性を
確認し、効能があり優位性があることを証明して、承認を獲得するまで
長ければ20年以上もかかります。
「サンバイオ(4592)」の今回承認された薬は、「脳治療薬」として、再生
医療の先端に立つ薬です。
この薬は、「脳梗塞」の治療薬にも転用できる可能性がある、薬です。
この薬を上市するために会社は厳しい治験を繰り返してきました。
アメリカのFDAと違い日本の厚労省は、専門家が存在している役所では
ありません。
厚労省から指名された「薬事審議会」の人たち(多くは大学の先生、元先生)
二より、審議をしてもらい、その結果をもとにして判断をします。
いかにも日本的な「責任」の分散の仕方です。
何かあった時に(とりわけ薬は人の生死にかかわりますから)役人に直接
責めが来ないように、「薬事審議会」という防波堤を設けているのです。
「薬事審議会」のメンバーはしかし、責任を負いたくないのは当然です。
そのため「画期的」な薬、新しいコンセプトの薬に対しては、慎重に
なります。
何か起きた時に「責任」をとることが嫌だからです。
「先駆け申請」などと称して、薬の承認を速めるなどと標榜している
厚労省の企図は、すでに仕組みからして破綻気味なのです。
■さらに破綻しているのは日本の個人投資家です。
「バイオベンチャー」株に投資をしている個人投資家は、二種類です。
長く「推し銘柄」として応援をするつもりで保有している株主と、
動きの荒いところを信用取引で手っ取り早く荒稼ぎを使用とする株主です。
本日は、「サンバイオ」の事業が数歩進展した「好材料」の日です。
しかし、短期の荒稼ぎ目的投資家からすると「上がらなければ売り崩す」
という対象でしかないようです。
日本の社会の課題として、治療法のない疾病を治す薬や治療法の確立は
大きなテーマです。
より良い未来を実現できるからです。
その開発を応援してくれるのは「資本市場」「株式市場」です。
とりわけ日本では「株式市場」の厚みの無さが発展を阻害していると思います。
■「推し銘柄」として長く保有している個人株主にとっては、同社株価は
これからです。
入学試験に通った瞬間に興味を失う投資家に「推し」を持つ意味はありません。
市場が「材料」の大きさをきちんと認識されるまで我慢の時間がまだ続く
かもしれません。
しかし、その後にもたらされるものは、現在の評価の数倍に増加していると
考えています。