代表中野を嗤え「ドル高の弊害・2」(2024.07.02)

「昨日、「通貨高」は、その国の製造業を痛めつけるという事を書きました。
より詳細に言えば、輸出産業と言い換えたほうがいいと思います。
「ドル高」で、「製品」を輸出しているアメリカ企業は軒並み苦しんでいます。

かって「円高」で日本企業が苦しんだのと同じことです。」

■アメリカのナイキの株価が急落しました。業績が市場の期待値に届かなか
ったことが理由です。

ナイキの「靴」の平均販売単価は「300ドル」程度です。
日本の消費者から考えると今の「為替」では、「50000円」近い価格を支払う
必要があります。
ナイキの熱烈なファン以外は、普通の消費者が買える水準ではありません。

サブスクモデルで、ライセンスフィを収益の基盤とする企業であれば、「ドル高」
の影響は目立たず、推移していけますが、「売りきり」のビジネスモデルであれば、
「ドル高」の影響は、もろに出ます。

アップルの「アイフォン」もアメリカ以外で製造したモデルは、「低価格」で販売
していかなければ、遠からず、多くの利用者を失います。

いずれ、アメリカ国内とアメリカ以外で「価格」を変化させる「ダブルスタンダード」
の価格体系にしなければ、業績に深刻な影響が出始めると考えています。

もっとも、アップルは「アイフォン」以外の「クラウド」や「アプリ」などの
ライセンスでの稼ぎの比率が大きく、深刻さは幾分薄れますが、ドルが、今ほど強く
ない時期と比較すれば、厳しい状態になるのは言うまでもありません。

■「為替」変動の原因が「金利」だけではないことは何度もコメントしています。

しかし、一度「トレンド」化した流れは簡単には変化しません。
とりわけ、マグニフィセント7の大攻勢に業を煮やしていた欧州などは、「ドル高」
による「ハンディキャップ」の拡大は心地よいかもしれません。

「ドル高」はすぐには転換しないと考えています。

「ドル高」の継続によるアメリカのハイテクジャイアントへのダメージを少しづつ
投資家は感じ取っているのかもしれません。

日本株に海外投資家からの注目が再び集まるのは、「ハイテク製造業」としての
優位性を持つ日本が「円安」により、マイナスハンディを獲得していることに
気が付いたからかもしれません。

■相場の流れは常に一定ではありません。
いいと考えていた流れは、いつか逆になるという事も良くあるのです。