「「ブラジルでの蝶の羽ばたきは、テキサスでトルネードを発生させるか」と題された
気象学者エドワード・ローレンツの講演が、「バタフライエフェクト」の始まりです。
小さな動きがやがて周囲に波及して、大きな動きになる。
歴史的に小さな出来事が、社会を変革するような大事件へ発展する、などで使われます。
株式相場でもスケール感ははるかに小さいけれど、似たような動きが出ることがあります。」
■株式の評価は、株価で決まります。株価は、買い需要と売り需要のバランスで均衡が
とれています。
株式の流通量が多く、売買代金が多い銘柄の場合、その銘柄に対する評価が、極端に
変化することは多くありません。
そのため、株価の動きは値幅が少なく、「詰まった」形で推移することが常態となります。
変化は、「蝶の羽ばたき」のように最初は小さく始まります。
小さな変化が継続し、やがて、少しづつ「うねり」が大きくなります。
「うねり」はやがて、大きな波にまで発展することがありますが、ほとんどの相場は、
「蝶の羽ばたき」が「大波」になるところで「価値の見直し」という大きな変化は終了
しています。
つまり、株式投資として仕込むべきは「羽ばたき」から「うねり」に至る過程であり、
「大波」になった時には「逆指値注文」を駆使して、売りあがりを企図する、という事が
正解だと考えています。
しかし、多くの個人投資家は、「大波」のタイミングで参加してきます。
そしてそれが、大波の波乱要素を増幅させます。
何故、個人投資家は、相場の最終段階でしか、参加して来ないのでしょうか。
■答えは明快です。
「大波」にならないと証券メデイアが報道せず、地道な分析活動をしていない個人投資家
にとって、銘柄選別の方法がそれ以外にないからです。
かくして、「大波」に対して個人投資家の格闘が始まります。
旨く利益を確保できることもあれば、ずるずると塩漬けになることもあります。
せめて「逆指値注文」で保険を掛けることを行えばいいのに、長く投資をしている個人
投資家程、自身の感覚に自信を持ちすぎているためか、対応をしない場合が多いようです。
投資の成功の蓋然性は小さくなります。
しかし、それは、「羽ばたき」や「うねり」という変化を観察しようとせず、「大波」が来る
都度対応するという方法であれば、致し方ないとも言えます。
投資に手抜きは禁物です。
成功しようとすればそれなりの手間を惜しんではいけないと考えています。
■横着物の投資家が生き残れることを祈っている毎日です。