「日本銀行のマイナス金利解消に関して、株式市場も神経質な
反応を示しています。
日本銀行の政策決定会合は3月18日19日に開催されます。
いよいよマイナス金利が解消される日が到来しそうです。」
■日本銀行のマイナス金利政策が実行されたのは黒田前総裁の
時でした。
「異次元の金融緩和」を継続しても、民間の資金需要は膨らまず
銀行の融資残も増加しないという状況を何とか打破するために、
とられた政策です。
市中銀行が使えない資金を日本銀行に預けるときに「マイナス金利」
というコストをかけることにより、銀行サイドにも融資を促進
するモチベーションを高めようとする政策でした。
日本経済は中々「デフレ気分」から脱却できず、「投資よりも貯蓄」
という空気感が強く残り、景況感の停滞を招いていました。
ようやく、社会の機運が「貯蓄から投資」へ向かい始めたのだと
考えます。
■とはいえ、まだ、日本経済は、アメリカや欧州並みの高金利に
耐えられる状況ではないと考えています。
まず、住宅ローンの低さで、景気をある意味けん引してきた個人
の住宅取得が、阻害されてくると想定します。
それに伴い、再びデフレ循環に回帰することもあり得ます。
賃金の上昇などで金利負担に耐えられる状況が必要です。
つまり、マイナス金利は解消されますが、10年金利などの水準が
大きく上昇するとは考えられません。
「超低金利政策」の持続は当面維持するほかないと考えています。
■以前にもコメントしましたが、日本銀行と政権は、独立した関係
を維持する必要があります。
とはいえ、微妙な「忖度」もあるような気がします。
5月から6月にかけて政府の「電気・ガス料金」に対する補助金給付
の終了する時期が到来します。
インフレ率は2%に抑えられていますが、補助金が無くなると、この
数字は4%以上に跳ね上がります。
中東情勢やウクライナ情勢により高止まりしている原油価格です。
さらなる円安になると、電力料金やガス料金の値上がりはより
大きくなります。
支持率が低迷している政権にとっては、この値上がりは大きな
ダメージになる可能性があります。
政権選挙を控えている政権としては、日本銀行に「忖度」を
求めてもおかしくはありません。
■5月から6月にかけての緩やかな円高を想定し、そのための日銀の
金融政策変更を計算すると、4月では間に合わないと考えています。
日本銀行のマイナス金利政策が3月に変更されると考えている次第です。