代表中野を嗤え「リスクについて考える」(2024.09.09)

「投資について語られるときに必ず取り上げられるテーマがあります。
それは「リスク」です。
何かにつけて「リスク」という言葉が使われます。しかし、その意味するところは
何となく「危なそうだ」というニュアンスが大半のようです。」

■相場の世界では「バブル」という言葉と同じくらい「リスク」という言葉が
使われます。

その2つの言葉には共通点があります。
「バブル」も「リスク」も漠然としたイメージだけで、きちんとした分析も
概念も作らr手ていないという事です。

株価が上昇してくると間違いなくどこからともなく「バブル」という言葉が
出てきます。単にコメントを発する人たちの想定よりも上昇速度が速いという
ニュアンス以上のものはありません。

「リスク」も似たような使われ方をします。
株式投資にはリスクがある。FX取引にはリスクがある。この株価にはリスクが
ある、などいろいろです。

「バブル」という言葉にはしかし明確な定義があります。
それは「限られた市場の中で限られた資金で限られた金融商品が売買を加速
させるときに、価値の異常高騰が起きる。その現象をバブルと呼ぶ」
と私は考えています。
単に価値が上昇することを「バブル」とは言わないのです。

■「リスク」も同じです。
「リスク」には、2つ方向性があります。
一つは「元本」が棄損する「リスク」です。多くの評論家や投資家が考える
「リスク」とはこの概念です。

もう一つは「利益」が上げられない「リスク」です。ある投資を行っていれば
確実に獲得できたはずの投資を行わないことで、「逸失利益」が生じて、資産に
劣後が生じる、是も「リスク」です。

実は「逸失利益」の「リスク」は「元本」を棄損する「リスク」に比較して
軽く見られていますが、現実的にはその差はとても大きなものです。

デフレが長く続いた日本経済は、民間の資金が法人個人問わず、「リスク」を恐れて
「元本」リスクが少ない「預貯金」に集中したことが背景です。
この間、投資の「リスク」を背負ったアメリカは、日本と比較して大きな経済成長
を実現させました。

「元本」リスクを重視して、「逸失利益」のリスクに目が向かなかった結果です。

■「投資リスク」を考えるときには、より広い視点で考えることが重要なのです。