代表中野を嗤え「不易流行・投資信託」(2024.03.25)

「新NISA制度がはじまり、投資信託業界は活況を呈しています。
多くの個人投資家に、さまざまな投資信託の提案があります。

何をどう選べばいいのか、悩み事です。」

■「不易流行」という言葉は、「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない
中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと」と言われています。

松尾芭蕉が唱えたものですが、それ以前にも似たような言葉は、さまざまな古典
でも語られており、日本人には、好まれやすい感覚だと思います。

投資信託は、第二次大戦後、日本の証券取引所が再開されてからしばらくして
アメリカから流入してきました。

小さな資金を集めて運用を行い、利益を配分するという考え方は、戦後の投資ブーム
にも支えられて急速に残高を拡大させました。

しかし、債券型の投資信託は大きなマイナスを計上しませんでしたが、株式型は
証券会社の募集があまりに過剰であり、短期解約が多く、投資信託の運用の趣旨
と運用の実態が、乖離した状況が続きました。

短期解約が多くなれば落ち着いた運用などできないからです。

「投資信託は儲からない」「投資信託のノルマがきつい」これが20世紀の証券マン
の共通認識だったと考えています。

■様相が変化したのは、ETFの登場と、指数に連動する「パッシブ運用」の確立
です。

21世紀に入り、システム開発が進み、運用のDX化と証券会社に対する金融庁の
始動が効いてきたのです。
すなわち、短期解約は禁止、証券会社は資産拡大を経営目標とする、という
モノです。

これにより、投資信託への信頼度は急激に上昇しました。

■指数に連動する「パッシブ型投信」は、指数に連動しますから、ファンドマネジャー
の能力に左右されるものではありません。

しかし、運用方針を「半導体関連株特化」「高配当銘柄」などに集中した投資信託
(アクテイブ投信といわれます)は、指数以上の運用利回りを目指しています。
そのため、指数連動タイプより運用の安定度は劣後するのは否めない所です。

市場の一部に焦点を当て、関連銘柄に集中投資をするわけですから、特定の一時期は
極めて成果が出る可能性が高いのですが、継続性という点では疑問が出ます。

業種により株価の安定的な上昇が想定できる業種と、そうでない業種があります。
また、ある程度継続して上昇した業種が、停滞をはじめると、指数の上昇に追いつかない
という事が起きうるからです。

指数連動の「パッシブ投信」は「不易」だと思います。
「アクテイブ投信」は「流行」です。

双方を上手に組み合わせることはより効率的な運用になる可能性がありますが、
資金的に潤沢でない投資家は「不易」である「パッシブ投信」を選択すべきだと考えて
います。

■新NISAで長期の積み立てを行うとすれば、「長期間」という事を考えれば「流行」
よりは「不易」を求めるべきではないでしょうか。

そう考えている次第です。