代表中野を嗤え「予想が間違うわけ」(2024.07.05)

「為替の予想、株価の予想、など当たるときは当たり続ける、外れだすと
止まらなくなる、という事はよくあります。

「休むも相場」とはそういう時に該当すると考えますが、原因は、どこに
有るのでしょうか。」

■「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」とは方丈記の
冒頭の文章です。
予想が外れる原因はこの文章に示されていると思います。

川の流れは景気や相場、経済の流れと考えればいいと思います。
元の水とは、流れを決めている所与の条件の事だと考えています。

景気や経済、その反映である相場は、常に存在しています。
しかし、その流れを左右しているモノ、流れの主力になっているモノは
常に変化しているのです。

また、知らない間に、どんどん隘路に突き進んでいるという事がよく
起ります。

そういう状態に陥らないように、常に流れを冷静に見る習慣をつけることが
必要なのだと思います。(難しいけれど・・・)

■例えば、「円安」の原因が「金利差」だと想定します。

フォーカスしやすいのは「日本銀行の金融政策」です。
日本の銀行系のコメンテーターなどは、しきりに「日本銀行」が金利を
引き上げることを求めます。
その理由は、「日本銀行」が金利を引き上げないから「円安」がすすみ
日本国内の「消費」が進まない、そのために景気が回復しない、という
ロジックを主張したいためです。

結論の日本の景気に関して考えると、「円安」は悪いことばかりでは
有りません。
製造業の海外輸出は明らかに有利になっており、設備投資などは回復
しています。

そもそも「円高」を招いた原因は、1970年代以降の日本の製造業があまりに
世界の中で強く、世界の貿易黒字の大半が日本に集中するなどの異常事態が
起きたからです。
世界から批判を浴び、「円」は250円程度から200円にそして150円に100円割れに
と「円高」が進行しました。

製造業で国の経済を支えてきたわが国の景気は製造業の苦境により一気に
悪化しました。

その状態が長引いたために解消策として「超低金利」「円安政策」が採用
されたわけです。

■さて、円高が250円から100円割れに進行する中で、内需は、好調になったで
しょうか。
そうは思いません。

「円安」だから個人消費が縮小しているのでしょうか?
春闘で賃上げが行われて以降、徐々にですが、個人消費は増加に転じている観が
有ります。
外食の店舗や百貨店の店舗、ショッピングモールの人出をみて、「内需」が
「円安」だから減少している、とコメントできるでしょうか?

■「しかも元の水にあらず」です。
思い込みが判断を曇らせます。

判断を曇らせないためには「歴史」を学ぶことです。
そして、一部の「声の大きな」人たちに影響されて思い込みを勧めないことです。

何より、「逆指値注文」を忘れずに活用することです。
相場との齟齬は必ず起きるからです。